「売れない理由」より「どうしたら売れるのか」を考えろ! | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

再放送の朝ドラ「まんぷく」では、万平さんが考案した栄養食品「ダネイホン」がついに完成し、瓶詰にして売り出した。ところがそれを食べた人はみんな「美味しくない」と反応が悪く、販売初日からほとんど売れなかった。「どうして売れないのかなあ? ダネイホンは完璧な栄養が手軽に取れるのだから、戦後間もない食糧難の時代に手軽に十分な栄養がとれる良い商品なはずだ」と万平さんは自信満々だった。

 

「良い商品なのに、なぜ売れないのか」という言葉に、私はドキッとしてしまいました。それは今の私も同じ問題を抱えて苦しんでいるからです。わたしが営業で売っているのは食品ではありません。不動産小口化商品と言って、一種の不動産投資商品です。都心一等地の高級マンションへの投資が1口500万円単位で購入できて、10年後に売却した際に得られる売却益を利益として獲得できるというもの。それまでの間は賃料収入からの利益を分配金として毎年受け取れる。さらに、この資産を相続する場合は時価では無くて路線価ベースで相続税評価するので時価に比べると割安になる。

 

こんないい商品が売れない訳はないのですが、現実は甘くない。10年後の売却価格が値下がりしたら損失が発生するというリスクがある。また、相続税評価の圧縮も、例のタワマン課税強化のあおりを喰らって、国税庁は来年1月から見直す方針になっている。だから売れないのではないか。

 

こういう「売れない理由」というのはある意味「売れない良い訳」であり、いくらでも書き上げられる。しかしそんなことをしていても何の解決にもならない。「どうしたら売れるのか」を考えなくてはいけない今の私にはそれが最大の課題になっています。

 

「元本保証が無ければ怖いから要らない」、という保守的なお客様を説得するのは難しいですが、「リスクがあるからこそ、その分高い収益が得られるのだ」と考える人もたくさん居る。例えば証券会社のお客様はそういう考え方の人が多い。元本保証にこだわって銀行預金や国債を買えば、今はほとんど金利が付かないから、元本割れはしないけれど利息は微々たるもの。でも、今の日本は物価高が進行しているから、お金の価値は下がる一方。それではダメでしょう。

 

あと、相続税評価の基準見直しについては、まだ国税庁が内容を公表していないので何とも言えないのですが、路線価ベースで評価するのはタワマンだけではなく全ての不動産に共通です。それが廃止されるということはありえないと思います。

 

話を「まんぷく」に戻しますが、結局、福子の提案もあり「ダネイホン」を病院に売りに行くことになります。なるほど、病院で処方される栄養剤のようなものと思って食べてもらえばいいのか。

 

私も今まで銀行を通じてお客様に紹介してもらおうと、銀行ばかり回っていましたが、証券会社など他の業種に当たった方がいいのではないかと気づきました。