この話題は以前にも一度書きましたが、今の国会でも与野党から開催を疑問視する声が多く上がっています。「万博を開催する意義は何ですか?」というそもそも論みたいな質問には少々落胆しました。そういうのは招致する以前に議論しておいてほしい。それが今出てくると言うのは、これまで国会では議論して来なかったということを意味する。しかしこれに対して答えた岸田総理は「世界が分断の危機を迎えているからこそ、世界の人々が集まって交流する場を提供するのだ」と。これは完全に「詭弁」です。そんな木で鼻をくくったような抽象的な話では納得できません。今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですよね。日本は何を出品するのか? 350億円も掛けて作った木製の屋根は何で必要なの? たくさんの木を切る必要がありますよね。
われわれ地球に生きる人類は20世紀までの進歩とは異なる新しい進化を模索しているはず。それは何なのかということを各国が提案するという場であってほしいと私は思う。産業革命以降農村の人々を都市にかき集めて、工場で過重労働をさせたり、ビルの中に閉じ込めてひたすらデスクワークをしたり、更に残業で個人の時間を奪う、そういうやり方で無理矢理築いて来た繁栄は、結局地球温暖化を引き起こしてしまい、地球そのものが存亡の危機に瀕してしまった。
今さら万博を中止しろとは言わないが、地球規模の危機に立ち向かう人類の会合の場として、万博を盛り上げてもらいたい。もはや政治家に任せておいてはダメだと思う、各界の有識者が率先して企画立案した方がいい。
