私は昔(30歳代のころ)ゴルフに夢中になった時期がありました。サラリーマンになった以上は、会社での付き合いとか、取引先との接待などでゴルフに行くことが多くなるから、ゴルフは一人前の腕前になっておくことが、サラリーマンの心得だと会社の上司や父親から言われていたからです。実際やり始めるととても楽しい。だからもっと上手くなりたいという欲が出てきました。私は車のトランクに常にゴルフバッグを積んで置き、休日にはゴルフ場に行くか、家の近所の打ちっぱなし練習場に通っていました。おそらくあの当時のサラリーマン連中はみんなそんな感じでした。
ある日、職場の仲間で慶応大学の体育会ゴルフ部出身という人(Aさん)がいて、その人を誘って一緒にみんなでゴルフに行きました。目的は当然、ラウンドレッスンをお願いするためです。
Aさんからはラウンド中に、ところどころで、ここでの打ち方やスウィングのフォームなどを手直ししてもらうのです、Aさんは「こうやって、スーと、箒で掃くように・・・」などとアドバイスしてくれるのですが、私たちはそう簡単には打てません。すると、Aさんは言いました「どうして皆さんには出来ないのですかねぇ・・?」 (それはこっちのセリフじゃないの)????
つまり、Aさんは「こんな簡単なことがなぜ皆さんにはできないのか、私には理解できない」と言いたいのだと思うのです。
ガーン!! レベルの違いを感じました。Aさんには我々の悩みが理解できないのか・・・。その日のラウンドレッスンは結局、レベルが違い過ぎて、参考にも練習にもならなかったのです。ちなみにAさんは確か75ぐらいで回っていましたが、私たちサラリーマン組は100前後。大人と子供ぐらいの格差があります。
この時に悟ったのは、ゴルフには一級、二級、三級という階級があり、一級はプロゴルファーとすれば、二級はハイアマチュア、三級はローアマチュア(初心者)のレベルです。我々のような三級のプレーヤーはいくら背伸びをしても一級に勝てるわけはなく、二級に到達するまでは相当の年月と経験が必要なのだと。
サラリーマンゴルファーは三級の中で楽しめばそれでいいし、実はそれが一番楽しい。私はその後90台が出せるようになりましたが、会社がつぶれて一時失業したため、ゴルフは止めてしまいました。でも三級ゴルファーとしてそれなりに楽しめたことは、今では良き思い出です。
