先日見たNHKの「映像の世紀 スペイン風邪の猛威」の最後の方で、新型コロナウィルスのワクチン開発の話が出てきます。そこには、新型コロナウィルスのワクチン開発に偉大な功績を上げた人物としてカタリン・カリコ博士が紹介されます。mRNAという新しいワクチン開発方法です。この方法を利用すれば、未知のウィルスに対してもワクチンを短期間で開発できるそうです。この博士はもともとはハンガリー人(女性)ですが、冷戦後に本国の大学での研究開発費を打ち切られてしまい、藁にも縋る思いでアメリカに渡って研究を続けてきた人だそうです。アメリカではスペイン風邪のワクチン開発などで数多くの実績のあるペンシルベニア大学で研究していたことが、今回の新型コロナウィルスワクチンの開発成功に結び付いたといいます。それを思うと、本当に神のような人です。
ところで、余談ですが。私はこの番組を見ていて一つ思ったことがあります。
スペイン風邪(インフルエンザ)は1918年頃の話で、当時は第一次世界大戦が勃発していました。
この戦争が世界的なパンデミックを起こすきっかけとなったのですが、結局、敵も味方もみんなスペイン風邪にかかってしまい、それが戦争が早期に終結した要因の一つだったそうです。
それから約100年がたった今、世界は新型コロナウィルスのパンデミックに見舞われています。そして折からのロシアとウクライナの戦争が第三次世界大戦に発展するのではないかともいわれています。新型コロナウィルスは人類に警鐘を鳴らしているのではないか?
「お前たちが戦うべき相手はお互いの国ではない、われわれ未知のウィルスなのだ」と。