もちろんこれは一歩前進だと言えるが、この国の子どもの性被害の闇は深い。性犯罪歴の有無だけではなく、多くの日本人はその濃淡はあれど、子どもを性的対象に見ている。そう言うことを言うと「日本人はすばらしい」のエントロピーたちは、大はしゃぎしだすが、男女別なく、いい大人が少年少女アイドルに夢中になり、児童ポルノ動画やアニメを世界に発信しているのも紛れもなく日本という国である。そして、その児童ポルノ礼賛を象徴するのが、この国のジャニーズファンである。子どもたちにあれほどの性虐待、そして子どもとの肛門セックスを繰り返したジャニー喜多川の所業を、ひたすら隠蔽し続けているキムタクなどのジャニーズ古参メンバーたちは、何事もなかったようにスカトロ社に天下りし、また一部のネズミたちは沈みゆくタイタニックの船底から、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

 

沈黙を貫き事件の隠蔽を貫徹した、ジャニーズ喜多川チルドレンのキムタクは、すでにテレビドラマの主演に復帰している。もちろんすべてのジャニーズファンがジャニー喜多川の行為を肯定しているわけではないが、その犯罪レベルを「性的いたずら」くらいにしか思っていないことに、世界の感覚と大きなギャップがある。極論を言えば、この国の男女問わず大人たちは、何かのきっかけでスイッチが入ると、誰しもが性犯罪者になる可能性を秘めた性加害予備軍であると言える。

 

このジャニーズ問題を総括出来ない専門家が、何を偉そうな議論を繰り返しているのか。ジャニーズファンは、こうした専門家だけではなく、すでに学校や保育所・幼稚園、国が認定した学習塾や放課後児童クラブ・スポーツクラブ、そして、医療や法曹の世界などに潜り込んでいる。子どもたちにとって、不同意わいせつ罪など法律違反の他、痴漢や盗撮といった条例違反などは、決して特別なシチュエーションやSNSなどの場面だけではなく、「性犯罪前歴者」だけに注意を払えばいいということではない。人類史上最悪といわれたジャニー喜多川の性犯罪を、黙認し隠蔽し続けた古参のジャニーズのアイドルがまさにテレビドラマの主演を演じている。何事もなかったように様々なテレビの現場に復帰している。そして、あろうことかこの国の「女性」たちが、世代を超えてジャニーズアイドルを狂信的に崇拝している。

 

もちろん、それは全ての女性ということではないが、決して少数でもない。こうしたジャニーズファンの女性、一方で少女アイドルに声援を送る男性の腹の底は、決して清く純粋な「推し」などで理解できるはずがない。こうした少年少女に対するフェティシズムと児童ポルノや子どもたちに対する性的虐待は位相幾何学に同相であると言える。それは日本という国が、女性や子どもたちを性的対象とするプラットフォームなのである。やっかいなのは、性的虐待や人権侵害の被害者である、女性がジャニーズ問題に対して加害者の側に立っている。男性と同様に小児幼児愛、小児幼児に対する性的虐待や性的暴行を想像し萌えている。

 

わたしたちはそういう国で生きている。そして私自身もその一人なのだ。だからこそ、その前提で社会の有り様を考えていかねばならない。残念ながら、そのような日本人のゲノムから生まれてきた新しい命にもそのアプリオリは存在する。これは書物による教育でどうこうなるという問題ではなく。訓練することで身につけていくモーレスの問題なのである。ジャニーズ問題や松本人志問題に対して、我関せずで第三者を決め込んでいる人間こそが、このプラットフォームを支えている。ナチ・ハンターのように、最後の一人までジャニーズファンを徹底的に追い詰め、この国の社会から排除する、「アイドルになりたければ、お尻のひとつくらい差しだしなさい。」とするジャニーズファンの存在を完全に消滅させない限り、この国が児童ポルノの国と呼ばれなくなることはない。