「特捜最前線」が下位にも出てこないのは時代ということなのか。とにかく暗い長坂秀佳の重厚な脚本、オープニングのテーマ曲、そしてラストのチリアーノの「愛の十字架」は今でも心に残っている。そして何よりもキャスティングが圧巻だ。神代警視正の二谷英明、船村刑事の大滝秀治、津上刑事の荒木しげる、高杉刑事の西田敏行、立花警部の本郷功次郎、吉野刑事の誠直也、紅林刑事の横光克彦、そして、何よりも桜井警部補の藤岡弘は、クールとワイルドのどちらの回も突き抜けてカッコよかった。「特捜最前線」の作品ベスト3は、西田敏行の「ナーンチャッテおじさんがいた!」、藤岡弘の「帰ってきたスキャンダル刑事」、そして風吹ジュンがゲストの「シャムスンと呼ばれた女」は、今思い出しても泣ける。「特捜最前線」は、刑事ドラマの「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」のようなもの、オッサン高齢者の根強い固定ファンがおり、どこかで再放送すればそこそこの数字は取れると思うのだが。