確かに大谷を観ていると、チームのために一所懸命頑張っている。ロバーツ監督は、 大谷翔平の盗塁が試合に与えた影響を私たちにエネルギーや楽観性を生み出してくれていると言っているが、厳しいメジャーの世界は、少年野球とは違う。自分にも他人にも厳しくクールじゃないとやっていけない。

 

しかし大谷はそれを現実にやっている。……いや、やろうとしていると言った方が正しいのかな。大谷は、まるで何かに取り憑かれたように、チームのために必死になっている。ドジャーズに来てから、そして水原氏の問題が発覚してからずっとそうだ。何か期する覚悟のようなものがあるのだろう。そんな大谷だから、みんな応援したいと思うし、こんなメジャーと比べると草野球レベルの日本野球の人間たちも、彼らたちなりに、メジャー野球の勉強したりなんかして、少しでも大谷の役に立ちたいと思うのは、彼がなんだか一生懸命だから。

 

大谷は、右肘の内側側副靱帯の損傷で投手としては今季は出場絶望で、打者として試合出場を続けているが、そもそも、右肘の怪我は本当にバッティングに支障がないのだろうか?もちろんこれまでのバッティングを見ても、素人目にも打撃フォーム自体に乱れもなく、しっかりとフルスイングできているのは間違いない。しかし、一番気になっていたのは、「空振りした時」の反応だ。大谷は狙い玉が広範囲でアクロバット(変な)空振りが多い。ボールにバットが当たった時よりも、芯で捉えられず空振りした時の方が手首や肘に衝撃は来るものだからそこはやはり心配である。

 

そして、最も心配なのは、走塁時の不意の動きによる影響である。打席に入ってピッチャーのボールを打つ分には、自分の動きはコントロールできるが、出塁した際にスライディングをしたり、帰塁した際の予期せぬ動きなどで肩や肘に負担がかかる場面もあるはず。今のところ問題はなく出来ているが、時には接触プレーも伴うだけに不安は否めない。ドジャーズは、当然日ハム時代の大谷の故障履歴については、全て把握していると思うが、その中でも、大谷は走塁で右足首を負傷。その後、左大腿二頭筋肉離れの2度と診断され、実戦復帰までは4週間を要した過去があり、この走塁が大谷の足や腰にとって最も負荷が大きい。

 

スタートダッシュや滑り込みなどの瞬間的な動作で強いストレスが掛かった場合、ふくらはぎなどの肉離れを起こしたり、指や手首の骨折のリスクが生まれる。何よりも今季は投手リハビリが主題だと言うことを忘れてはいけない。盗塁、走塁、外野守備での返球など反射瞬発力に拠る負荷が最もリスクが大きい。ウォーミングアップやストレッチにより関節可動域や神経伝達など徹底した自己管理に基づいた運動習慣による合理的なパフォーマンスを心がけるべきである。つまり、今期の大谷はホームランしかない。

 

セーフティバントはやめたほうがいい。もちろんルールの内側であるが、こんなことをやってると、いつかぶつけられる。セーフティバントは、ゲームの展開においては有効な戦法だが、やはり「真っ白」な勝負では決してフェアとは言えない。こんなことを言うと、ルール違反じゃなければ何でもありなどと、まるで「つばさの党」や「松本人志擁護派」のようなことを言い出す人間がいるが、大谷には正々堂々と大きな弧を描いてほしい。そもそも、セーフティバントで安打数を稼いでうれしいか?ホームランの可能性を一つドブに捨てたということでもあり、もっと大谷本来の美学を大切にしてほしい。

 

今のようにイチローばりのアクロバットなバッティングを繰り返していると、本来のアーチの弧動を見失うことになる。現在ペースではホームランが少なすぎる。シーズン100本塁打を目指すためには、セーフティバントや盗塁にかまけている場合ではない。常に140m級の大きなホームランをイメージし、その打ち損ないが120〜100m級のホームランになる。日本人がメジャーで100本塁打を打てば、その金字塔は永遠に残る。今シーズンはピッチャーとしてのリハビリ期(一刀流)、そして年齢体力的も100本塁打のチャンスは二度とないからだ。日本人がメジャーで100本塁打を打てば、その金字塔は永遠に残る。今シーズンはピッチャーとしてのリハビリ期(一刀流)、そして年齢体力的も100本塁打のチャンスは二度とない。

 

そして、プライベートにおいては、結婚して生活環境、特に睡眠環境はこれまでの一人暮らしの時とは異なり、絶対的な睡眠時間やその質はかなり低下しており、良くも悪くも生活でのストレスは身体へ大きな影響を与えているはず。いくら大谷と言えど、生身の人間の「腰」は不死身じゃない。その「腰」はセーフティバントや盗塁で使うためじゃない、140m級のホームランを打つため、そして愛する「妻」のためにもっと大切に使うべきである。

 

今年は水原氏の件もあるが、何よりも新婚1年目である。ファンも大谷のことを考えるのであれば、もう少しハードルを下げてあげるべき。三冠王や30盗塁などと騒いでいる輩もいるが、もう無茶苦茶だ。大谷は野球少年だが、野球ロボットじゃない。大谷の「人権」何だと思っているのだろうか。ドジャーズは放っておいても地区優勝する。今年の大谷は2割2分とホームラン100本を遠点に、解像度を高めていけばいい。あとは、せめてオフや遠征の日には、ニューヨークの街にも興味ないと思うが、たまには夫婦で繰り出して、一夜一億円くらい使って、「ゴージャス」に過ごす勇敢も必要だと思う。