「マニフェストを争うように手にした、そういうものがいま立憲民主党にないということです」

政権交代の失敗でこの国の議会制民主主義は一旦終了した。それは民主党の未熟さを問うているのではなく、戦わなかったことである。つまり、民主党も自民党という大きな幾何の一部に過ぎないということが露呈された。共産党と公明党を除けば、政党理念やマニュフェストに大きな差異はない。つまり、「国会議員党」という一つの塊が、増殖分裂を繰り返している。自由と民主の双頭竜は、界面から出る頭が自民党であろうと民主党であろうと、体は一つにつながっている。もちろん、選挙に投票するということは、一人一人見れば正しい行為であることに違いはないが、合成の誤謬を起こしている。この双頭竜の一方を消滅することは出来ない。日本国憲法は理想に溢れた「完璧」な憲法である。「完璧」であるからこそ、手出しが出来ない「マヌケ」な憲法だと言える。2009年の民主党鳩山代表の所信演説も「完璧」だった。だからこそ、民主党が立憲や国民などの名を変えても、やり直す道はもうないのである。