文章プロデューサー大竹ひろこです。

 

 

今日は仕事でお世話になっているこの方、


 

不妊漢方の専門家、漢方薬剤師堀江昭佳さんの記事を読んで、感じたこと、考えたことを書きます。

 

 

まずは上記記事を読んでみてほしいです。

 

 

記事冒頭に、

 

ゲイだということをカミングアウトすると、

 

「わたし、ゲイの友だち多いから」

「ゲイの〇〇くんを紹介したくて」

 

とか言われることが、まぁ、よくある。

 

と、あります。

 

 

この手の話は堀江さんと過去に何度かしていて、その都度「ホント、嫌」とおっしゃっているので、本当に嫌なんだなあと思っていました。どのくらい嫌なことなのかはゲイじゃないので私はわかりません。なので他のことに置き換えたらわかるかな?と考えてみたのです。

 

 

そうすると面白いことがわかりました。「ゲイ」という部分を他のことに置き換えるとよーくわかるのです。「ゲイ」という情報は一人の人間のパーソナルデータですから、他のことに置き換えることができるのです。

 

 

例えば。

 

 

「わたし、体重100kgの友だち多いから」

「体重100kgの〇〇くんを紹介したくて」

 

そんなこと言う人、いる?

 

「わたし、ガンの友だち多いから」

「ガンの〇〇くんを紹介したくて」

 

そんな気楽に言うこと?

 

「わたし、魚座の友だち多いから」

「魚座の〇〇くんを紹介したくて」

 

いや、まあ、別に紹介しなくていいですw

 

 

「ゲイ」というパーソナルデータだとなぜか堀江さんのように言われるんですよね。マイノリティであることはたしかだと思いますが、なんでしょうね。なんか、「ゲイの人にはそういう風に返すもの」というセオリーが、人々の心の中に棲み着いているような気もします。

 

 

──なーんて言っていますが、実は私も似たようなことをした経験があります。しかも堀江さんに対して。今思うと背筋がゾーッとしますが、あの時はそう聞きたかったのです。

 

 

何をしたかといいますと……

 

 

ある人の紹介で私は、200名以上いる懇親会の会場で初めて、堀江さんとお会いしました。堀江さんは、会社の社員の方に文章指導をしてくれる人がほしかったようなのです。私はそういう立場で堀江さんに近付きました。

 

 

大竹「○○さんの紹介で……」

 

堀江「あー!はじめましてー!」

 

 

こんな感じで明るく挨拶をしました。堀江さんは当時すでに、1冊目の著書が10万部以上も売れている大人気の人でした。やっと人の波が切れたところで声をかけたのです。私は堀江さんのことを知っていましたが、堀江さんは私のことは初めてそこで知ったはず。ちなみに私は堀江さんがゲイだと知っていました。しかしこの時、堀江さんはまだ公にはカミングアウトしていなかったのです。その上で……

 

 

大竹「堀江さんは、ゲイなんですか?ホモなんですか?それとも……」

 

堀江「そんなの秘書を通してくれないとー!」

 

 

ギャグにしてくれました。ギャグにしてくれたのです。だから私は気付かなかった。堀江さんが、本当は「なんだこいつ」と思っているということに……。

 

 

言い訳になりますが、私がこういう質問をしたのには訳があります。1つは、堀江さんがカミングアウトしていると思いこんでいたこと(だからって聞いていいかといえばそんなことはないけれど)。2つ目は、当時勤めていた会社にレズビアンの女性が二人もいて、彼女たちと飲んだ時に、「レズビアンにも種類がある」ということを聞いたからです。ならばゲイにも種類があるの?そう思ったことがきっかけです。

 

 

だからって何も仕事のつながりを持とうという相手に、初対面でなぜそれを聞かねばならないのか?そこが私のおかしなところで、気になるともう居ても立ってもいられないのです。聞いてみたい、そう思ったら聞いてしまう。困った性格です。

 

 

お互いお酒が入っていたこともあり、そのままテンション高めの雰囲気で私は無事、堀江さんから仕事を請け負うことができました。あれから1年半以上が経ちますが、おかげさまでまだ仕事は続いています。それはなぜかというと……

 

 

初対面から1ヶ月半くらい経ってから、堀江さんと二人で飲む機会がありました。肉を食べ、大いに飲み、楽しい時間を過ごしました。杯を重ねてから、堀江さんが「実は」と話をしてくれたのです。あの時、初対面でとんでもないことを聞く失礼なやつだとは思ったけど、その場に人がたくさんいたこと、何となく嫌な感じはしなかったことから仕事を依頼したのだと。あれがもし二人っきりで会っていたなら、断ってたよー!とハッキリ言われました。

 

 

私はなんというラッキーガールでしょう。紹介してくれた人への信頼もあったでしょう。寛大な堀江さん、本当にありがとう。

 

 

冒頭の記事に戻りますと……。

 

 

私の(失礼な)質問は、単なる「知りたい欲求」からきた質問だったので、堀江さんにそれほどの不快感は与えなかったのかな?と今そう思っています。「堀江さんはどの種類なんだろう?」純粋にそう思ったから聞いただけで、何かしらの自己主張はそこに微塵もないわけです。

 

 

だけど記事にあるような「ゲイの友だち多いから」は質問でもなんでもなく、堀江さんへの興味というより「私はそういう人だから」という主張になっていますよね。だから不快感が募るのだと私は考えます。

 

 

何かの情報を得た時、まずは相手の話に「そうなんだ〜」と相槌を打ち、それから「実は私ね」などと話せばいいものを、話に頷きもせず「私こうだから〜」などと言われても困りますね。「お前は話を聞いてるのか?」と尋ねたくなる。例え話を聞いていたとしても、それはあくまで「自分がしたい話の前置き」という位置づけであって、とにかく自己主張がしたいのでしょうからね。

 

 

なんにせよ、人の話に相槌を打てない人はダメです。そんな人は私も嫌いです。まず「うん」と言え。そう言いたくなるけれど、人の話はそっちのけでワアワアワアワア自分の話をする人とは距離を置くようにしています。だってそんな人といたって1ミリも楽しくないし、何もメリットがないからです。

 

 

 

 

それと最後に。マイノリティの要素がそんなにない私からすれば、「ゲイ」というパーソナルデータはマイノリティであることを充分に主張できるデータだと思うのです。マイノリティの反対であるマジョリティからすれば、「そういうデータがうらやましい」というものすごくおかしな感情があることを、ここにひとつの事実としてお伝えしておきます。

 

 

マイノリティであることで社会から認められないことが多く、だからその権利や主張を受け入れてもらうためにパレードなどが行われます。それも、マジョリティからすれば、そんなパレードはする必要などないわけです。そういうパレードはしっかりした主張があるので結びつきも強いのか、ものすごく楽しそうに見えるんですよね。私も参加したい。そんな風に思わせるものがあります。

 

 

だから、もしかしたら。

 

 

記事にある、「わたし、ゲイの友だち多いから」「ゲイの〇〇くんを紹介したくて」と言った人は、もしかしたらゲイというその枠の中に自分も身を置きたい、そんな風に思ったのではないか?とも私は思うのです。言い方は全然ダメですが、そういう気持ちを持つことは何らおかしくないですよね。仲間に入りたい。その気持ちは素敵だし、楽しいこと。

 

 

ホント、最近よく思うのです。「世の中色んな人がいるなあ」と。

 

 

人の話を取って自己主張しまくりの人もいますし、別に自己主張したいわけじゃないのに、そういう言い方をしてしまう人もいる。

 

 

それを言った人の気持ちはその人にしかわからない。だからわかろうというのは無理なのですが、相手の気持ちを慮ることはできるはずですよね。「こういう相手にこう言ったら相手はどう思うのか?」そういう想像力を働かせるのは、人間関係を構築する上で必要なことですね。

 

 

まあ、私の事例のように、勢いというのもありますからね……。正解はありませんが、相手の気持ちを慮る気持ちは、常に持っていよう。堀江さんの記事は、そう心に誓うきっかけを私に与えてくれたのです。