2018年4月22日(日)
昨夜から、名古屋市に住む友達夫婦のお宅にやっかいになっております。
今朝は、老舗の喫茶店『コンパル』でモーニングセット(コーヒー)530円をいただきました。千切りキャベツとケチャップ、目玉焼きがはさまったホットサンド。苦味の効いたコーヒー。お構いなしの喫煙。ヤニ色の照明器具。天井からぶらさがる昭和フォントの案内板。四人がけのテーブルに陣取る年配の一人客。平服の四人家族。
フォントがかわいいお手拭き。
気付けば2時間が経過していました。
「鶏が三羽いるんです」「そりゃ開運だね」車中、謎の会話を繰り広げ、日本三大神宮の一つ『熱田神宮』に向かいました。よく晴れた今日は気温も高く、心地よい風が吹いています。
地元民に連れられ、本殿までのショートカットルートを歩く。ああ、まぶしい緑たちよ。
少し歩くと『信長塀』が見えてきました。この塀は……
永禄3年(1560)織田信長が桶狭間出陣の時、当神宮に必勝祈願をしてみごと大勝したので、そのお礼として奉納した築地塀(ついじべい)です。
土と石灰を油で練り固め瓦を厚く積み重ねたもので、兵庫西宮(にしのみや)神社の大練塀、京都三十三間堂の太閤塀とともに日本三大土塀の一つとして有名です。
※熱田神宮ホームページから引用
http://www.atsutajingu.or.jp/jingu/about/keidai/
だそうです。
本殿でのお参りを済ませ、熱田神宮名物の鶏を見に行きました。
でかいよ〜。
こんな鳴き声ですよ。
ほんの1m先で鳴きだす鶏。少しすると遠くから同じような鳴き声が聞こえてきました。鳴き声の呼応はつづきます。他の二羽と連絡しあっているのかしら?
「ここのきしめんがおいしいんです」そう言われ、連れて行かれた先はこちら。
「カラスに訴えかけてるんですよ」と言われて見た貼り紙には【カラス進入禁止】と書かれています。果たしてカラスは読めるのか!?
お目当ての赤だし『宮きしめん』を食す。宮きしめんには、ほうれん草・しいたけ・甘いお揚げ・かまぼこが入っており、削り節・ねぎがたっぷりのっています。色づいただしのうまいことといったら。一味唐辛子を入れて食べるのもいいですね。あっという間に平らげてしまったので、二人が食べ終わるまで、私は近くにいる二羽目の鶏を観察していました。
鶏の向こうには池がありました。
よく見てください。亀です。亀がたくさんいます。この中に、一匹ひっくり返っている亀がいます。おわかりでしょうか?
この亀、私が見たその直後いきなりゴロッとひっくり返ってしまったのです。さて、この後どうするのか?私たちは息を詰めて見守りました。
亀は動かない。1分程経過したところで、亀は手足をばたつかせ始める。「動き出した!」まるで背泳ぎをしているようです。その後すべり台をすべるように、リンボーダンスをするように、亀は池にボチャンと落ちました。その一連の流れはほんの3分程だったでしょうか。ビデオを撮り忘れたことが悔やまれます。
帰りの車中、友達がこんなことを言いました。「熱田神宮に行ってまさかあんなに笑うとは思いませんでした」彼女は来週東京に引っ越します。度々訪れていた熱田神宮ですが、今後訪れるチャンスは減ることでしょう。
去りゆく名古屋での思い出。快晴の下、緑あふれる熱田神宮。うるさい外国人がいるわけでもなく、人々の静かな足音に包まれ歩いた場所。
私も友達も「裾広がり」な服を着ていたこともあり、末広がりな可能性を感じました。「開運だね」を連発しながら歩いた場所。東京に戻ってからも、亀のことだけはずっと忘れず思い出し笑いをしてしまうことでしょう。
あ、コンパルのヤニついた空間も、忘れられないかもしれないな。