閑話休題:31(マツダ MX-30 Rotary EV 試乗記) | モトグッチV7Ⅲ Stoneとの日々

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1970年生まれのおっさんライダーが初の二輪外車で感じたことを綴る。

本気で良いなぁ、と思っている車には試乗することにしている。基本的に自分が買いたい車は不人気車が多いので。買いたい時には試乗車がなくなっている事が多い。

 

「マツダ MX-30 Rotary EV 」。

発電機としてロータリーエンジンを積んだEV。分かりやすく言うと「日産e-Power」みたいなやつ。

駆動機関としてのロータリーエンジンじゃないので「こんなのロータリーじゃない」とかネットでは散々の言われようだけど、生粋のマツダファン(というか元マツダディーラーマン)としては「ロータリーエンジン」の存在そのものが世に出たということにロマンを感じるんだよね。

うーん、どこにロータリーエンジンがある??よくわからん。モーターメインだからカバーなし?

 

クルマそのものの評価の前に・・・やはりEVとはどうなんだ?というところに考えがもっていかれる。

思ったことはエンジン車とEVって似て非なるものだと思った。

例えば、りんごと梨どっちが好き?みたいな感覚。同じ果物で丸くて形が似ているけど、味や食感が違う。別のもの。そんな感じ。

 

ちなみにお借りしたマツダのディーラーには、自分がいた時に一緒に働いていた方が3人いる。なので、ちょっと安心してお借りすることができた。

しかも、今日はたまたま自分の同期入社で結婚披露宴で挨拶してくれた(今は関東マツダの事業部長をやっている)Kくんが来店していて、もう何十年ぶりかに話すことができた。すっかり貫禄が出て最初誰だかわからなくて店長さんかと思って慇懃無礼に挨拶してしまったよ(笑)。すっかりKくん、部長部長していた。

 

それはともかく、車内に乗り込む。試乗する時、基本は一番シートを高くして乗る。おぉ、パワーシートか。サイドミラーもなんかポチポチとスイッチで操作して調整する。自分の家にある2台の古い世代のクルマからすると全てが別世界。チルトでハンドルの高さを調整してポジショニングはバッチリ決まる。

最初にエンジンのかけ方、EVとかの切り替えの仕方等々教えてもらう。

手動でモード切り替えができる。「チャージ」と「オート」と「EV」モードの3種類。EV以外は適宜ロータリーエンジンで充電するみたい。

オートマのシフトチェンジの方法は「P」から一度左に倒してから下におろすだけ。シンプル。いつだったか評論家の森慶太さんがこのATのパターンは駄目だ、みたいな記事書いてけど操作した自分からするとそんなに違和感なかった・・・というかもっと複雑なわかりにくいATレバーよりも使いやすかったけどな。

 

シフトレバーを「D」にしてパーキングスイッチを解除するとスルスルと無音でタイヤが転がり出す。おお、EVってすげー。自分は初代e-PowerのNOTEと初代プリウス、マツダ・アクセラ・ハイブリッド(トヨタからシステム借りたやつ)、三菱アウトランダーPHEVしかこういうの乗ったことないから(いずれも試乗)、とっても新鮮。

ヒューンとモーターの加速をする(当たり前)。ただ、どこかの記事で読んだんだけど、マツダのEVはモーターモーターしてなくてガソリン車みたいな感覚があると言ってたけど、確かに普段ガソリン車に乗っている自分でも違和感がない。ただ、音がしないってだけ。ハンドリングも上屋がフラフラする感じもなく正しくマツダ車のハンドリング?乗り味。タイヤからのゴツゴツな突き上げもなく上手く吸収して不快感なし。いま思えば静かな故にロードノイズが気になる?かと思っていたけど全然気にならず。

ハンドルにパドルシフトが付いていて操作したんだけど、何やら変化が見られず。後で店員さんに聞いてみるとシフトダウンすると減速するらしい。やったんだけどわからなかったなぁ(笑)。

 

マツダ車らしいと思ったのは30年経っても新車のマツダ車の匂いがしたこと。接着剤の匂いなのかな?いわゆる新車の香りなんだけど。シートがファブリックだったせいもあるからか高級感は感じず。これが革だったらもう少し印象が変わったかな?記事で読むCX-8とかCX-60とかは高級感がとても感じられるみたいだけどMX-30はそうでもない。

ま、マツダの「MX」ナンバーが付いているクルマは実験車的な立ち位置だから高級感を売りにしているわけではないとは思うのだけど。

 

走り出し車線変更をしようと思って右後ろを振り返ると絶望的に見えない(笑)。

フリースタイルドアを採用しているから窓枠が小さいというのもあるんだろうけど、ルーフが後ろに向かって下がっているから視界を遮る感じ。

これはクーペSUVみたいなクルマだから割り切りでしようがない。スーパーカーだと思って諦めるしかない。ちなみに左後ろはきちんと見えました。

乗っているとヒューン?ギューン?と音がする。何かなぁ?と思えば、おぉ、これがロータリーエンジンが回っている音か!それなりに室内に音が入ってくる・・・が、ロータリーだと思うと騒音というより「浪漫」の音が聞こえてくる気がするのだから不思議なものです(笑)。

「散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする」

→「チャージモードに切り替えてみれば、広島浪漫の音がする」

 

フリースタイルドアはこんな感じで開く。乗り込みは前席倒さないと少し無理があるけど、乗り込むとパンダよりも余裕かな。決して広くはないけど大柄じゃない大人が乗らない限り十分だと思う。フル4人乗車がマストの人は、最初からこのクルマを買わないでしょう。

 

そうそう。運転した感覚はとても良かった。1800mmの車幅が自分の感知できる限度だと思っているんだけど、このクルマは1795mm。そして何度か狭い道でのすれ違いをしたけど車両感覚がつかみやすくとっても走りやすい。これはこのクルマの美点。バックもしてみたけど小回りも効いて本当に運転しやすい。最小回転半径5.3m・・・Rotry EVも同じなのかな?まぁ数値以上に良い感じ。

 

 

荷室はこんな広さ。これもパンダ比なので一般の方と比較できないのですが、つよT的には十二分。

 

おおむね、好印象、良好な「MX-30 Rotary EV」だけど果たして次期つよT家マイカー候補になるのか?ということを考えてみる。価格は500万近くしてしまうの(と、家に充電ケーブル設置費用)は今回は横に置いておいて(補助金がいくら付くのかも知らないけど)、大前提のEVはどうか?

純粋なEVはつよTとしては選択肢としてはありえないと考えていて、ガソリンも使えるPHEV的なもしくはe-Power的なクルマだったら良いかな?そして今回マツダは「e-SKYACTIV R-EV」としてこいつを発売した。ロータリーが載っているという浪漫込みで買いたいな、この変なクルマを!という思いだったけど、ヒューンと無音で走るクルマはどんなもんか?

総論は「有り」だなと思うものの、各論で考えると「なし」かもしれない。

 

無音で走っていると眠くなる?これは長時間走っていないからわからないけど皆さん大丈夫なんだろうか?

無音は無音で慣れるのかな?と思ったけど、帰りに自分のエンジン車に乗るとやっぱりこっちは肌感覚として乗りやすいな、とも思う。

そうすると、MX-30のRotary EVじゃなくて、普通のハイブリッドでもいいんじゃね?とか思ったり(ロータリーの浪漫はどうした?www)、しかもガソリンエンジン車ならCX-30の今は新車で買えないMT車を買った方が良いのでは?という考えが出てきてしまう。

 

それなら軽のホンダN-ONEのMTかジムニーのMTでも・・・と。あと最低3年は乗るパンダの次期車両は難航しそうです。次もパンダ4×4でも良いかも?なんて妻は言ってましたが、それなら今のクルマを乗り続ければ良いので(笑)。パンダのFFのMT車でも出してくれれば最後のガソリン車として購入も考えたいところですが。ツインエアエンジンもとうとう終わるみたいだし、なかなかクルマの選択肢が難しい時代に入ってきました。