【パブコメ】練馬区小中一貫教育推進方針 | T. Watanabe Web 

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2016年2月に「練馬区小中一貫教育推進方針 (案)」に対するパブリックコメントが実施されました。私は2月27日付で意見表明をしました。
このたび、同方針が策定され、表明された意見に対する教育委員会の考え方が示されました。



【意見】
本推進方針(案)は、「小中一貫教育校設置の意義と効果」で謳われているように、小中一貫校のメリットが強調された内容になっているが、議論の過程においてはデメリットの検証が不可欠であると考える。
大泉桜学園 (練馬区先行試行された小中一貫校)の経験から、小中一貫校の抱える問題点とそれへの対処を「意義と効果」と並列で論じるべきだと考える。仮に、関係者からデメリットの指摘が乏しい場合、その事実自体に疑念をもって臨むくらいの慎重さが必要ではないか。

【区の考え方】
小中一貫校教育校大泉桜学園の検証では、7年生から入学する生徒や保護者の不安感などの課題について調査と検討を行いました。また、一般的に小中一貫教育に指摘される課題として「人間関係の固定化」「転出入への対応」「小学校高学年におけるリーダー性育成」「中学校における生活指導上の問題の小学生への影響」についても検証しました。

ということです。

練馬区の教育委員会としては、「課題は検証済であり、その検証を踏まえた上での方針である。検証結果まで提示する必要はない」ということなのでしょう。
もし、どこかに検証結果が公表されているのであれば、その旨を明示すべきでしょう。

小中一貫教育にはメリットもデメリットもあり、その捉え方は個々人様々あると考えます。もし、デメリットがほとんど聞こえてこなければ、もしかしたら課題の捉え方、問の立て方がおかしいのではないか、と疑ってかかるぐらいの慎重さが教育行政には必要ではないかと思うわけです。

ましてや、方針(案)に対する意見を募る際、当該案を形作るうえで根拠となった調査検討の結果を同時に提示するのはごく当然のことではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
「推進」するからといって、メリットだけを強調するような手法には不信感が募ります。

(2016年7月16日)