2019年、福岡県の博多の森陸上競技場で行われた、第103回日本陸上競技選手権の思い出です。
土曜日に予選と準決勝が行われる為、土曜日に博多へ向かいます。
もし、決勝に残るようなことがあれば、とホテルを予約していたのですが、飯塚に住む叔父叔母が「福岡に来るとやったら、ウチに泊まらんね」と言うので、その言葉に甘える事としたのです。
叔父叔母も競技場に見に来ると言ったのですが、競技場は駐車場からも結構歩かないといけないし、中は階段しかないから止めとけ!と準決勝に残り、TVに映りますように!と爺ちゃんばあちゃんの祭壇にお参りしといて!と頼んでおきました。
博多の森に着き入場の列に並んでいると、大阪桐蔭時代の同級生のお母さんと弟君に出会いました。
聞くと、日本陸上競技選手権の前にリレーカーニバルがあったらしく、弟君の高校チームが出場したとの事。
同級生のお母さんが「めっちゃ遅いんよ!43秒くらいだったんで~~!」と言うので私達も「大丈夫、今の大阪桐蔭もそんなもんやで」と言うと「え~~!うそ~~!」と驚いていました。
予選は4組あり、各組の3位までと全組のタイム上位4位までが準決勝へ進出となります。
ウチのチビは予選の着順は5位でしたが、全組の中でタイムが3位でしたので、準決勝へ進出となったのです。
ちょうどTV中継が始まったところが110mハードルだったようで、いきなり選手紹介、しかもまずウチのチビが最初に紹介され、福岡の親戚一同がざわついたようです。
そして、号砲が鳴りスタート!とここで大波乱が。
号砲が鳴ってすぐに「バン!バン!」とレース止めの合図が。
全選手がスタートラインに戻されると、競技委員が選手の前に向かいます。
ほとんどの場合、号砲前に身体がピクッと動いたとか、腰が一瞬上がったり降りたりしたなどの注意なのです。
注意ならば緑の札で、フライングは不正スタートとして赤札、赤札は一発失格なのです。
すると、選手の方に向かった競技委員、なんと赤札を手にしています。
そして、今現在もそうですが、当時も日本記録を出していた金井大旺選手に向かったのです。
金井選手に赤札を出し、2レーンずれた選手にも赤札を出したのです。
いきなり2名の選手が失格となった波乱のレースの幕開けとなりました。
再スタートし、NHKのアナウンサーが最初に飛び出していく選手としてウチのチビの名を叫んでくれましたが、一台ハードルを越える毎に富士通の石川周平が出てくる!と実況しました。
準決勝で敗退し、私達は叔父叔母の自宅に向かいました。
ウチのチビはホテルに宿泊です。
まだ、お爺ちゃんとお祖母ちゃんが健在だった頃は、飯塚の商店街近くに住んでいたので、最寄り駅は新飯塚駅でした。
当時、飯塚市の基幹駅は寝台特急「あかつき」号が停車するのは飯塚駅であったように飯塚駅でしたが、新飯塚駅が近代的な橋上駅舎に作り替えられた今、当時のままの飯塚駅は時代に取り残された旧駅のようです。
筑豊も難読の駅が多く、飯塚駅の一つ博多方のてんとう駅は天道と書きますし、京都人で無くとも「かつらがわ」と読んでしまう桂川は、「けいせん」です。
ちなみに九州の人の多くは「せ」を発音できません。
「せ」は「しぇ」となるのです。
ですから「けいせん」は「け~しぇん」と発音するのです。
私が30歳位までは、篠栗線(筑豊線)は非電化路線でした。
ですから私が中学生の時に乗車した寝台特急「あかつき」号はDD51 牽引の佐世保発筑豊線廻りの編成でした。
小倉駅で鹿児島本線を走って来た長崎発の編成と併合して大阪に向かったのです。
正面の山はボタ山です。
炭鉱を掘って出てきた土を積み重ねて出来た、言わば人口の山です。
炭鉱から出た土は不純物が多いらしく、自然発火することもあったそうで、ボタ山に木は生えないと聞いていました。
事実、私が盆正月に帰省していた頃は、はげ山で、お盆にはボタ山を提灯で装飾して、お盆に帰って来るご先祖を出迎えていました。
百年近くの時間が過ぎ、ボタ山にも木が生えるようになったのでしょう。
翌日、ウチのチビに今日は競技場に行ったりする用事があるか聞いたところ、「何もない、大阪に帰るだけ」との返事があったので、叔母のウチのチビに逢いたいから昼ごはん食べがてらおいで、と言う伝言を伝えたところ、身支度してから行くと返事がありました。
ウチのチビが飯塚駅に到着する時間になると叔母がそそくさとウチのチビを迎えに行き、やって来たウチのチビにお爺ちゃんとおばあちゃんの祭壇に手を合わせてくるように言うと、2階から大きな音で鳴る柏手が聞こえました。
5人で叔母が好きな蕎麦屋に行き、昼食を採ったあと飯塚を跡にしたのです。
博多駅で800系新幹線つばめを撮影しました。
ウチのチビと嫁さんには2人掛けの普通席DE席を並びで予約しました。
ウチのチビは日本選手権への出場に関しては、学校から交通費が出ていた筈なので、知らずに私がExpress予約で切符を取ってやったことで、ウチのチビの小遣いが増えた事を知る由もありませんでした。
この時、私は1人で同じ列車のグリーン車に乗車しました。
それは、私が亭主関白だからだとか、お父さんはえらいんだぞ!と言う考えだからとかでは無く、この月一杯で失効するグリーンプログラムのポイントを消化しなければならなかったからです。
ポイントではひと席しか利用できない為、私の努力によって溜めたポイントなので私がグリーン車を利用し、嫁さんとウチのチビは普通車になったのです。
2021年の日本陸上競技選手権は6月26日に予選が、6月27日に決勝が行われます。
Road to TOKYOの大事な大会にも関わらず、何故か準決勝は実施されず、予選から一発決勝と言う甚だ理解しがたい開催手法の大会になるようです。
皆様応援よろしくお願いします。
走れ!
新幹線のように速く!
SLのように力強く!
ではここで~~~~~!
あ!その駅ね、飯塚から一つ博多寄りね!
と掛けまして~~~!
ズッコケちゃいました!
と解きます~~!
その心はぁ~!
てんとうですゥ~。
思い出は重いで、おしまい。