振り込め詐欺と雑損控除
被害が後を絶たない振り込め詐欺ですが、平成28年の被害総額は375億円に達しています。
この損害が、税務上の救済措置である雑損控除の対象になるのかどうかについて、国税不服審判所は、対象外との判断を示しています。
意思決定の過程に誤りがあるものの、本人の意思に基づいて振込送金がなされており、雑損控除に規定する「災害」「盗難」「横領」による損失には当たらないからです。
これに対して、パソコン・ウイルス感染により、ネットバンキングでの不正送金から生じた損失は、「盗難」に該当し、雑損控除の対象となります。
詐欺と盗難では、税務上の取扱いが異なります。振り込め詐欺は、踏んだり蹴ったりということになります。