小正月の縁起物の飾り | 包み結び 櫻撫子のブログ

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小正月(こしょうがつ)という言葉をご存じでしょうか?
1月1日を大正月(おおしょうがつ)、1月15日を小正月(こしょうがつ)といいます。
地域によって、14日から16日くらいになりますが…

大正月は門松や、鏡餅を飾り、おとそを飲んだり、おせち料理を食べたりと儀礼的な感じですが、小正月は主に農村で行われていた農耕の予祝(前祝い)のお正月行事です。

素朴ですが、素敵な小正月の縁起物の飾りをご紹介したいと思います。

~餅花~



昨年の暮れ、水引のお師匠さんのところで作った餅花です。
紅白のお餅をヤナギの枝に付けました。

餅花は大正月というよりもむしろ小正月に飾られたようです。

紅白のお餅を稲の花に見立て、今年の豊作を祈る予祝(前祝い)を表しています。

蚕の形のお餅をつけると、繭の豊作を祈る形となり、これは繭玉とよばれます。

他にまい玉などとも呼ばれ、地方によっていろいろな名称があるようです。

~削り花 その1~




拡大図



このカンナクズのような怪しげなものは、削り花、削り掛けなどと呼ばれるものです。

小正月に供える飾りでヤナギやニワトコなどの枝を薄く削いで残しておくもので、紙が普及する前は、御幣として用いられたそうです。

小正月になると、大正月の飾りを外して、餅花、繭玉や、削り花などを飾りつけます。

これは穂垂(ほだれ)と呼ばれ、小正月の時に、大正月の門松を外した後、外に縄を張り中央に吊るしたそうです。
外に吊るすと、門松ならぬ門穂誰(かどほだれ)と呼ばれたそうですよ。

~削り花 その2~



拡大図



~削り花 その3~



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これらの削り花は、私の折形のお稽古仲間のTさんから頂いたもので、群馬県水上の須川宿辺りのものです。

素朴な削り花は、大変美しく、今年の豊作を神様に祈る庶民の気持が込められていて、神聖なもののような気もいたします。

~団子木飾り~



この華やかな飾りは山形県の団子木飾りです。
やはり小正月にその年の豊作を祈って飾るそうです。

昔はミズキの木にお餅を挿したそうですが、今では色とりどりのお麩でできた麩菓子を飾り付けています。

~団子木飾りの麩菓子~



鯛や瓢簞、鶴、亀、大黒様、恵比寿様、宝袋、小判などおめでたい提げ物がありますが、いずれもその年の豊作を祈る素朴な気持が表れているようです。

お麩でできているので、落とすと割れてしまいます。
1個だけ割れてしまったので、ボンドでかけらを集めてくっつけてしまいました~
どれだかわかります?

ちょっと色が派手?かな~とも思いますが、北国の雪に閉ざされたところではこのような華やかな色で春の訪れを待ちわびたのでしょう…

みなさまのお住まいのところではどのような小正月を祝う縁起物がありますか?