少し前、日経新聞の三浦知良さんコラムで、「金メダルの連鎖反応」というものがあった。一人が金メダルを獲得することで、良い連鎖反応が起こっているという内容。

その視点は、さすがだなあと思う。

 

レベルはまったく違うし、こんな場所で金メダルの話しから関連づけるのは失礼を承知で。

 

私は、プロサッカー選手としては、学生時代に一度も全国大会を経験したことがなかった。中学校では、奈良県で優勝したり、準優勝したりとチームは強かったが、地域のトレセンには呼ばれなかったし、チームではPKを蹴る5人にも入ってなかった。

高校では、進学校のわりには、真剣にサッカーに取り組んでいたので県でベスト4くらいには入っていた。高校3年生の時に、国体の練習に来ないかと言われたけど、「受験勉強したいので」といって行かなかった。

大学でも、大学3年から4年の時に関西学生リーグの1部にいたのがラッキーで(同期に大阪の国体選抜が2名と、岡山の国体選抜が1名と、たまたま粒が揃っていた年だったのかも)、関西学生選抜に選ばれて、地域対抗とか、東西対抗とか、ドイツ遠征とかに連れて行ってもらうようになり、所謂、同年代のトップレベルの選手達とプレーする機会が持てた。

このときに思ったのが、「俺、戦えるかも」という感触だった。

それまでは、テレビで見るだけの、雲の上の選手達だったが、一緒にプレーしてみると、さほど差も感じなかったし、「なんだ、こんな感じか」って、自信を持ったことを思い出した。

 

やはり、肌で感じるとか、一緒にプレーするとか。

育成年代では、大切な機会なんだと思う。

 

「俺でもできるかも」って思った瞬間に、一気に夢が近づいた。

現実になった。

大人や指導者は、そういう機会を選手に与えることも役割の1つかも知れない。

 

結果的には、プロになってもめちゃくちゃ苦労するんだけどね。