サッカースクールである母親と話す機会があった。
息子が少年団でのコーチの対応に苦しんでいるとのこと。
楽しいはずのサッカーが、時にはやめたいとまで言い出すと。

残念でならない。
いまだに、自分が主人公となる指導者がたくさんみられる。
少年団のコーチは、お父さんコーチが多いが、保護者にとってみればボランティアで子どもを”指導していただいている”方だ。その段階で、少年団のコーチは立場が上になっている。
サッカースクールのように月謝を払っていれば、指導やコーチの言葉に対して文句も言えるが、ボランティアで指導してもらっている以上、文句なんて言えるはずがない。
この立場で、王様のように振る舞う指導者がやはりまだまだたくさんいる。

グランドで聞いていて残念な言葉の数々。
「なにやってんだよ」
「どうしてそうなっちゃうの?」
「ちがうだろう」
「いまのは、パスだろう」

すべて、すでに起こったことについてのコメント。
ある意味、サッカーをしらない人でも、言えること。
私はバスケットボールのことをあまり知らないが、こうした解説であれば、いくらでも言える。NBAでマイケルジョーダンがパスミスしたシーンをテレビでみれば、「今のはこうすべきだった」なんて誰でも言えるはず。

今回聞いた話では、その子はドリブルもシュートも禁止されているという。
ドリブルが大好きだから、ついつい試合でもドリブルで持ちすぎてチームに迷惑をかけるというのが理由らしい。
レッズやヴェルディでプレーした桜井直人という選手に聞いたことがある。「昔からドリブルがすきで、一生懸命練習した。どの年代でも好きなだけドリブルさせてもらえたから今の自分がある」と。素晴らしい指導者にであったからこそ、プロとしての輝かしいパフォーマンスとキャリアがあるのだと思った。
国見高校で数々のタイトルを獲得し、多くの日本代表選手を育成してきた小嶺先生も言われている。指導者の役割は、「選手の個性を見つけ、そこを伸ばすこと」と。

こんなんだと、ますます均一化して、特徴のない選手ばかりが育っていく。

困っているお母さん、お父さん。
是非、声を上げてください。
小学生のレベルでチームの強い、弱いなんて大きな問題ではないです。
子どもがサッカーを大好きで練習や試合を楽しく取り組んでいるかが大事で、結果はその後に来るべきです。

こんな話を聞く度に、子どもの試合でこんな指導者に出会う度に気分を害する。
監督にも審判が注意をするガイドラインがあればいいのに。