「地図にない国からのシュート」 今 拓海著 岩波書店

イスラエル・パレスチナ問題をサッカーを通じて取り上げた一冊。
サッカーやスポーツがその国の文化を表現するとはよく言われるが、国のアイデンティティを示すために、国の存在すら認められていない状況で国際大会へ出場する選手たちや社会背景を克明に書いてくれている。
中東問題は、あまり詳しくないが、太平洋戦争同様に近代史だし、パレスチナ問題については、進行形でもあると言える。


サッカーが言語となるとも、言い古された言葉だが、サッカーを通じて国の存在をアピールしている国があることに気づかされた。

バルセロナFCの研究をしたときにも感じたことだが、戦争や争いで国や地域を失いそうなときに、サッカークラブやチームがその民族のアイデンティティそのものになる。
だから、サッカーの人気って、簡単に説明できないんだな。

とりあえず、今日、レンタルビデオで「ミュンヘン」を借りてきた。
この映画も、ミュンヘンオリンピックで実際に起こったパレスチナ・イスラエル問題に端を発した事件についてだ。
こちらも、早く観よ!