日々、良い施術がしたいと思い、そのために学びつづけているので「これが完璧」という答えはありません。

けれど、現時点での私の施術の考えを整理するために、一度アウトプットしておこうと思います。

ちなみに、ここでいう施術とは、主に手技のことになります。


人間は肉の塊では無く「感情」や「思考」が伴った生き物であるので、同じ施術を行なっても結果は十人十色。

もっと言えば、同じ人でもその都度その都度のタイミングで結果は異なります。

その辺りはざっくり言うと、施術者と被施術者との関係が「好きか嫌いか」に大きく左右されるので、その辺の「相性・人間力」的な側面での施術については、また別の機会に書きたいと思います。


今、私が施術において軸としている考え方は、筋骨格系の機能を改善することで、身体の調子を上げるということです。

私の場合は、施術を「治療」とは考えておらず、そもそも身体を治せるのは自分の「身体」しかあり得ないので、あくまでその手伝いにしかなりえませんが(とは言え、筋骨格系からの要因が大きい場合の不調は、かなり改善するとは思います)、 今の整体院で施術を提供する上での私のテーマは「日常に整体を」であるので、身体を治して終わり、と言う風にはならないのです。


施術で提供しているものは、「マイナスからゼロ」にする行為では無く、「プラスアルファ」のものであるため、生活をより良いものとすることとして、施術を受けていただくのを理想と考えています。

日常生活をアクティブに生きるからこそ、痛みや不調が起こることもあり、それは自然のことでもあると思います。

それを、もちろん自己で管理できることも大切ですが、運動不足で時間にも追われる生活の中では

「他人に頼る」という選択肢も、立派な共存であると思います。


なので、自分が日常で習慣的に受けるものとして「良い」と思える形のものを手技のベースとしています。

ではその「良い」とは何か?ですが、それは「気持ち良い」、整体を受けることが「快」であるということです。


自分が定期的にお金を払って整体に通うとしたら、効果だけにとどまらず、整体を受けることは気持ち良い、楽しみと思わなければ納得しないと思うからです(と言うか続かない)。それは表面的なことだけで無く「身体に良いことをすることが気持ち良い」と思ってもらえることが、自分の身体を丁寧に扱う、ひいては元気な身体をつくる上でも重要かと思うからです。


そのため施術、手技においても「気持ち良くて効果がある」ものを取り入れて構築しています。

まあでも、どんな刺激が気持ち良いと感じるかも個性がありますので、そこの基準は私自身にはなりますが。


また、この「気持ち良い」には、私の施術理論である「筋骨格系の機能改善を図る」という考えでも、辻つまが合います。


筋肉や関節の機能低下とは、「硬く、動かなくなる」です。

それはつまり、基本的には筋肉が硬くなり、関節も硬くなるのが順序とは考えていますが、その硬くなった筋肉を「緩める」ことが、施術の主になると言えます。


ではどうやって緩めるか?


筋肉の働きは収縮のみであるので、その収縮した状態をいかに解除するのかと言うことになります。

手で行う方法は(「手のみでやる」ことも好みなので、それもこだわりです)押す、伸ばす、揺らす、摩る、当てる、ぐらいでしょうか?

今は基本的に押すのがメインですが、その際の筋肉を緩める理屈として、これは経験的、体験的による確立の影響の方が大きいですが、理論上の考えとしては筋肉の最小単位である「アクチン」、「ミオシン」の結合を、物理的に解除するという考えです。

これはあくまで想像の域までしか出れませんが、別の先生がそのようにおっしゃっていたのを聞いて、自分もそのように考えるようになりました。


筋肉の収縮の動きは、「アクチン」と「ミオシン」の結合と分離の繰り返しであります。

不随意収縮や、過剰な収縮により結合したままのそれらを、押圧で物理的に引き離すというイメージです。

その際の圧の「入れ方」も重要ですが、「圧加減」も最も要だと考えています。


刺激を入れている筋肉が緩むかどうかの適正な圧加減を「適圧」と呼んでいますが、その適圧の目安が「気持ち良い(痛気持ち良いも含む)」です。

ストレッチをかけるときと同じように考えると分かりやすいですが、いくら的確な角度で、正しいやり方でストレッチをかけても、弱過ぎたら筋肉は反応しません。

また反対に、強く無理矢理伸ばそうとしても逆に筋肉に力を入れることになってしまい、痛めることにもつながります。

適度な加減で、適切な時間、ストレッチをかけ続けることで筋肉は緩んでいきます。

そのときの身体感覚としても「気持ち良い」ですよね(伸びてる〜、効く〜と言う、許容範囲です)。

これと全く同じ要領です。


関節に関しては、基本的にほとんどの関節を自動で動かそうと思うと必ず「不要な力み」も生じてしまうので、他動で関節を動かすだけでも意義はあると思っています。

そこから加えて、カイロプラクティックや伝統的な整体の手技でみられる関節操作は、関節の可動域を回復させるのに有効だし、それでしか得られない効果もあるとは考えています。


その他、筋膜や皮膚、靭帯なども含めてほとんどは同様に考えていますが(そもそもそれら単体を刺激することは無理でしょう)、「緩める、動かす」が手技の基本になります。


それから、目の前の身体の状態、症状と主訴、反応とバランス、「どこからどこまで、どういう順番で緩めるか」を決める「戦略」を見立てる力も必要です。

それが無ければ、リラクゼーションとあまり差がない効果に終わってしまう可能性もあるでしょう。

とは言え、身体の構造と動きは決まっているので、大体が同じで手順、形にはまることになります。


このような感じで、私の施術を考える上でのベースが、解剖学や生理学(細かく言えば機能解剖学)なので、それらの知識としての勉強と、そこから考えられる手技の技術を日々考えています。

また、同じような考えをベースにやられている同業の方の施術も参考にさせていただいています。


78年やっていてもまだまだ未熟だらけです。

「適圧」に関しては、やはり押すだけの一辺倒では敵わないケースも多く、これからもっと開拓したいと思います。

また、関節操作はまだまだ不慣れなので、こちらも。

加えて、「神経」にアプローチした手技も、今の自分の施術には結びつきやすいかなと考えてはいます。


人様にお金をいただいて提供するサービスとして、自分でも心から胸を張れるものをやりたいと常々思います。

結果が出ると言われたり(信じていないと出ませんが)、納得のいかない考えのものをやっていても、いつかは辛くなってきます。

というか、そういうものは自分のものになりません。


「気持ち良くて効果もある整体」をこれからも追求して行きます。


こんな感じで大まかに書いてみましたがそれでも結構長い(笑)。

でもちょっとスッキリしたー。



同じような考えを持つ方、共に学びましょう。

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