この年になっても私は童話が大好きで、素敵な王子様が私を馬に
乗せて宇宙を駆けてくれそうなのです。
私の朝は爽やかではありません。疲れを溜めた目覚めない老婆です。

私の仕事部屋の隣が、私の趣味の部屋で、朝仕事に取りかかる前に
この趣味の部屋を必ずのぞきます。
左側から入るまぶしい朝日は私を童話の世界に引き込みます。
今朝はグリム童話の小人の靴屋です。

暗い奥の人形作業場も朝日が奥まで差し込みます。
時間に貧しい老婆のために、小人が人形たちを仕上げているような。
「小人さん 隠れてないで出てきましょ」「私が鬼で見つけっこ」
そのようなことを思い自分を笑わせます。
童話は現実からは遠い世界ですが、夢を膨らませてくれます。
「時間に貧しい可愛そうな老婆のために、、」と書きましょうか
いえいえ
「夢いっぱいの老婆は手品のように人形を作りたいのです」