対馬麻の紋付き
粗々しい織物の対馬麻はよくありますが、紋付の女性用の着物です。
珍しいものです。100年以上前のものと思われます。

よく着古してあります。薄い織です。
麻は虫が寄りつかないので、むしくいがありません。

絵は手書きしてあります。

絵にする色はたぶん草木からでしょうか。

見えにくいでしょうが、絵はたぶん絵師が書いたものと思われます。

家紋 丸に梅鉢と思いますが、女性は家紋の丸は書かないと聞いたことが
あります。対馬には丸に梅鉢の家紋は多いです。

お嫁に行くとき着物に付ける家紋について。
私が聞いたことですから間違いがあるかも知れませんが。
①母方の家紋を付ける。
②実家の家紋を付ける。
③嫁ぎ先の家紋を付ける。
地方によりいろいろのようですが、対馬は実家の家紋を付けます。
この家紋入りの着物は旧家の現在も、お元気な96才の方から
いただきました。
あまりに貴重なものなので遠慮しましたが、どうしても私に恩があると
言われて、受け取るようにと届けられました。
私は言われるようなことはしておりませんが、奥ゆかしいおばあ様は
私が受け取りやすいように伝言されたと思います。
日本人の美しい心が届きました。大切にして使わせていただきます。