60年前の手作りリュックサック
小学校の入学遠足に両親が手作りしてくれたものです。

布地はあらい綿と麻の織のようです。染めなおして赤にしてます。戦後すぐは、
物がなくて婦人達は工夫をよくしたと、母に聞かされてました。

表にはつぎはぎが、見えてませんが裏はつぎはぎです。糸の色を黒で縫ってます。
ポイントにしたのでしょう。

表のポケットは立体に縫つてます。上手。
ポケットの淵は白で縁取りしてます。いいセンス。
口のところの紐は、どうもくつの紐のようです。うふふ、、。
ベルトは皮で終戦で帰ってきた父の軍服の一部だとか。アラアラ。
布の部分は母が作り,皮の部分は父が作り、両親は酷い戦争の後の貧しくても
子供に恵まれたことの、幸せが,真の幸福と言うことを知っていたのですね。

おにぎりと、玉子焼きと、いか、がはいっていたと思います。
お菓子はなし、母のドーナツと、もしかしたらキャラメルがあったかなー。
対馬の人はするめを焼いてカナズチでたたいて、柔らかくしたものに
砂糖と醤油で味付けします。おにぎりにはそれが一番おいしい。
いつか対馬に来られた方の食事に、そのいかをだしたら「今夜の酒のつまみにいいですか」と言われて、おかずにならなかったです。対馬のひとはいかを、
おかずにします。

同じ布ですが,ろうけつ染で手提げも作ってました。持ち手は皮です。
手作りは人の温かさが伝わります。
古いので母が捨てると言いましたが
ひと針、ひと針,さしながら作ったものを、親からの形見にしてます。
人の手にかかった物を捨てがたいのは、両親の影響もあります。
木の切れ端、布の端、皮の使いふるしも、まだ生かせる。
そんな事を思うと、行詰まる時、勝てない時、ああーあ。だめだなー。いやになる。
。。。。。そうだ。行詰まると、勝てないと。そうだ。。いいんだ。それでいい。
私が勝手に自分に都合のいいことばかり、思っただけなんだ。。。。。。。。。
勝たなくていいんだ。
行き詰まるのは当たり前なんだ。
好きなことがあれば、いやなことはあるはず。
いやなことの反対を思うようにしてます。
生かしきってない自分に気つくのです。