あらためまして・・・


私は競馬の仕事をしているもんですから、

週末はサンデーモーニングでニュースを伝えつつ、

終了後は競馬場にココロが飛んでいます。



日曜日、忘れられない出来事がありました。


それは1頭の競走馬が

デビュー戦を無事に勝利で飾ったことです。


名前は

ツルマルオジョウっていいます。


かわいいでしょ?

私は勝手に「お嬢」って呼んでます。


競馬のことをよくご存知じゃない方には

今日のブログの内容はちょっとしんどいかもしれませんが

どうかご容赦を。


どうにもこうにも、

書かずにはいられなくって。



・・・なぜ忘れられないのか。


私は「競馬大王」とうい番組で

お仕事としての競馬デビューをしました。


そこで「POG」という

(ペーパーオーナーゲームの略)

ゲームに参加することになったんです。


そのコトバの響きだけを聞くと

なーんだ、たかだかゲームじゃんって

思われるかもしれませんが、

いやいやいやいや

そんななまっちょろいもんじゃないんですって。


わかりやすく説明すると、

自分が馬主になったつもりで

これからデビューする競争馬を選び、

その成績を競うってもんなんです。



血統だとか現場情報に疎い私は

そのゲームにおいては圧倒的に不利なわけで、

初めて参戦するときには

並み居る競馬野郎たちの中で

声を出して馬を指名することすら怖かったんです。


そんなおっかなびっくりの会議室で

「ツルマルシスター」という女の子を選びました。


シスターは新馬戦こそ敗れたものの

その後未勝利を無事に戦い

次の野路菊Sでは1番人気の1着。


・・・もう、嬉しいのなんの。


指名前夜、貫徹でリストアップし、

その選んだ競走馬が

元気いっぱい、こんなに活躍してくれるなんて。


もう、仮想の馬主ゲームだとか、

そんなことはどうでもよくなって

とにかくシスターの走る姿に夢中になりました。



そして迎えた、ファンタジーS。


あのスイープトウショウを抑えての1番人気。


あんなに心躍る出来事って、

そうそうあるもんじゃないです。



毎年何千頭というサラブレッドが誕生します。

でもみんなが無事に成長できるわけではありません。


だから、競走馬としてデビューし

しかも勝ち上がるなんていうことは、

ほんっとに夢のような、素晴らしいことなんです。



そのレースでシスターは7着でした。



そして。



そして。。



その後シスターは

病気で、天国に逝ってしまいました。


関係者の方からは

「最期までシスターは生きようって頑張ったんだよ」

って聞きました。


その話を思い出すと

いまでも涙が出てしまいそうですが。。。



シスターがいなくなってから

翌年のPOGは

シスターの弟達を指名するようになりました。


シスターのお母さんは

「ツルマルガール」っていいます。


ガールの子達は、シスターとはお父さんが違っても

ちゃんと勝っています。

ガールはいわゆる名牝です。

強いママなんです。



でもそのガールも、もういません。


毎年ガールの子を楽しみにしていた私は

最後に産んだコドモが「女の子」だと聞いて、

これは絶対に絶対に絶対にPOGで指名するんだと

決意していました。


しかも。


その「女の子」のお父さんはシスターとおんなじ、

ダンスインザダーク。

正真正銘、あの「シスター」の妹だったんです。



ガールが遺した

ただ1頭の女の子。

いったいどんなコなんだろう。。



ただただ無事を祈って

その女の子のデビューを心待ちにしていました。



そのコが冒頭の、

ツルマルオジョウ、

「お嬢」だったんです。



涙でました。


無事に成長してくれて、

ありがとうって、ココロから。



でも、そのレースっぷりをみたら

すぐに笑いに変わりました。


お嬢さまのハズなのに、

どうやらカノジョは

相当なお転婆さんのようで(笑


ゴールしてからも

ジョッキーを落としてましたから。


関係者さんによれば

おうちにいるときには

「すごーく大人しい」とのこと。

あれを見たらにわかに信じられないけど

じゃあ、レースでガラリと変わるタイプなのかな(笑



シスターのおかげで

それまで知らなかった競馬の楽しさを知り、

ガールのおかげで

お嬢にも会えました。



無事是名馬。


よく食べて、よくお稽古して

お嬢、どうか元気に育ってね。


競馬場で待ってるよキラキラ