『村上春樹は、むずかしい』 | 「不定点観測」 - 不動産売買仲介営業のブログ

「不定点観測」 - 不動産売買仲介営業のブログ

千葉県柏市在住、埼玉県越谷市勤務。56歳の営業マンが、日常や業務について綴ります。

【株式会社北辰商事】
埼玉県越谷市新越谷2-12-9 ポルトゥーナE号室
TEL.048-993-4781

かれこれ30年以上、この村上春樹さんを

追いかけております。

 

ここ何年かノーベル賞の季節になると、

決まって始まる書店のキャンペーンや、

風物詩のようにメディアに取り上げられる

「ハルキスト」と呼ばれる人々を観て、

すごく不思議な気持になります。

 

果たして、「村上文学」はそれほど大衆性を持つ

作品なんだろうか?

例えば『1Q84』は、数百万の人々がこぞって

読みふけるような小説なんだろうか?

何人が面白いと感じたんだろう。

傲慢を承知で言えば、ずっとそう思っていました。

 

批評やメディアも、いつの間にか本当の意味で

賞賛することもこき下ろすこともなく、

アンタッチャブルな空気を感じていました。

 

 

 

 

この『村上春樹は、むずかしい』は、私のこのような

モヤモヤを少しすっきりさせてくれました。

 

リーダブルではあっても、もっと文学的評価がきちんと

なされるべき、という私の思いはそれほど間違って

いなかったと確認できました。

 

*

 

クリスプな文体、斬新な比喩、ちょっとシニカルな会話。

それらに心酔し、模倣し、ストーリー上の記号や数字

の意味を裏読みして楽しみ、主人公が作る料理を

実際に作り、流れてくる膨大な楽曲を実際に聴いて、

「自分のための作家」が存在することの幸福に

浸っていた初期。

 

「デタッチメント」から「コミットメント」へ。

「喪失」から「再生への模索」へ。

「個」から「家族」へ。

歴史的関心による挿話、そしてより長い

「物語」へ。

そうした変遷を作家の文学的成熟として理解して、

自分も読者として成長したいと追いかけた中期。

 

いつの間にか「国民的作家」のような存在に

なってしまった状況に困惑しつつ、作品が上梓

されればやはり読むけれど、かなり傍観者的に

なっている現在。

 

私の読書遍歴を簡単に書けばこうなります。

今再読しても、わからないことがたくさんある。

 

*

 

80年代は「メーリングリスト」が村上ファンの

語らいの場の一つでした。

懐かしいですね。

このころに知り合えたの多く方々とは、今でも

何らかのお付き合いが続いています。

 

たぶん、私も含めて彼らが千駄ヶ谷あたりの

飲食店で、ワインに顔を赤らめて文学賞発表の

パブリック・ヴューイングに興じることはないと

思います。

 

それでは。