- かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール/川田 修
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最近のビジネス書は、判で押したように
『~なさい』
というタイトルが付けれられていて、いかにも
「これさえやっとけば特効薬的に効果てきめんですよ」
みたいな空気が漂っており、あまり好きではありません。
あるいはこの時代、本を買うほうも成功者といわれる人間から
はっきりと指示をされることで、安心感のようなものを得たいと
いう心理が働くのかもしれません。
それはさておき、ビジネス書というのは本当に玉石混交で、
腑に落ちるものが10冊に1冊あればよし、
というのが体験則的な見解です。
今日、オープンハウスを任されたマンションで
読み終えたこの本は、今年の「10冊に1冊」かもしれません。
プルデンシャル生命のトップセールスマンが書いた
ものですが、この手の本に散見する「ねずみ講ビジネスの
成功者セミナー」的な偽善も、自己改革の強制もなく
(それ自体がこの本の戦略かもしれませんが)、
ささやかで誰にでもできそうな(でも継続する人は少ない)
行動のアドバイスと、自身の過去の成功例・失敗談が
肩の力を抜いた文章で綴られています。
特に、リクルートからプルデンシャルへ転職した理由を
「本当は、最初はお金(高収入)が第一の目的でした」と
正直に吐露するあたり。それと、ある程度キャリアを積んで、
社内でトップセールスのタイトルを獲るために起こした
行動の顛末は、共感する部分が多かったです。
*
私がお売りしているのは不動産です。
人生で一番大きな金額の、ほとんどの方が一生に一度の、
大切な買い物です。
「お客様のために」という気持ちと、自身の接客の技術と、
そこに介在する「(売上)数字」。
その内的バランスが崩れて、時折、悩むことがあります。
悩んだときは、「井戸掘り」をします。もちろん、個人的な比喩です。
お客様の気持ちになって、考えを掘り下げてゆくときの、ぐーっと降りてゆく感覚を
指しています。ハルキストの方々にはお馴染みの表現ですね。
本当に考え抜くと、相当疲れます。考えれば考えるほど不安要素も
生まれてきて、さらにもう一段階掘り下げることになります。
だから、考え抜いた「本命」にご案内したときに、お客様がにっこりと
笑ってくださると、本当にうれしい。
ここに決めます、と仰ってくださるともっとうれしい(笑)。
*
今月、大切な友人であるご夫妻の新居を仲介し、無事にお引渡しを終えました。
お二人とも、たぶん、喜んでくださっている、と思いたい(笑)
別の意味合いで「一生のお付き合い」となりました。
建物にトラブルがあったら、すぐに遠慮なく連絡してください。
「最初のモチベーションはお金でもいいけれど、ずっとそれだと営業職は続かない。
本当の喜びや楽しさはそこじゃない」
ということを、あらためて気付かせてくれた契約でした。
だから余計、この本に好意的なのかもしれません。