ああいう痛ましい出来事があってから
公の場に姿を見せるのは初めてだったので、おそらく注目されたし
本人も意識はしていたと思われるが、ライヴ自体はシンプルで
非常に楽しいものだった。
冒頭で彼女が「33年生きてきて一番哀しいことがありました。
ありましたが、今も私の中に生きている天使と一緒にこのツアーを
成功させたいと思う。巧くはないかもしれなけど、心のこもった
ものにしたい」と目を潤ませながら言った以外は「そのこと」に
関する言及はなし。あとは小さな身体をめいっぱい動かして
力強く歌う、いつもと変わらぬ「ユキワールド」が展開した。
プロだな、と思った。
アルバム『joy』全体からは母親になった喜びを感じていたので、
余計に彼女の哀しみが伝わってきた。
バラバラになりそうな自身を、歌うことでつなぎ止めているような
危うさといったようなもの。
でもそれは、私の過剰な感情移入かもしれない。
アンコールの最後は「ハローグッバイ」だった。
私が見てきたすべてのこと
むだじゃないよって君に言ってほしい
人は誰かとかかわるハローグッバイ
ちから漲るよわなわなと
すごく沁みたんだけど、やっぱり意識過剰かな。