人と会う先々で
「寝不足?あ!チャンピオンズリーグだね?」
「珍しいね、二日酔いなんて」
などと言われる。
目が充血してるのは花粉症のせいです。
健康に自信のある田舎者でもきちんと発症するのだ。
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今週号の『AERA』に「45歳 夫は妻に回帰する」という
記事が載っている。いわゆる「会社人間」だった亭主が
40、50代になって社内で行き詰まったり浮気相手と
上手くいかなくなったりして、ようやく妻の存在の
ありがたさに気付く、というもの。
しかし現実は甘くなくて、妻としては「今更こられても
ペースが乱れて困る」のだそうだ。
我が家は二人が結婚後も同じ会社に勤めているから、
一緒に行動する時間が一般的な夫婦よりも長いと思う。
だからお互いの理解が深いか、というと特別そうでもないと
感じる。この5月で7年目を迎えるが、毎日のように
サプライズがたくさんある。
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』では、それまで上手く
やってきたように見えた(少なくとも主人公である亭主は
そう思っていた)6年目の夫婦が、彼がピーマンと牛肉を
いっしょに炒めたことや、花柄のトイレットペーパーを買って
きたことで口論になる。妻はこれらの組み合わせが嫌いなのだ。
この6年の間に牛肉とピーマンをいっしょに炒めたことはないし、
トイレットペーパーも絶対に無地のものしか買ってこなかった。
「あなたは私と一緒に暮らしていても、本当は私のことなんか
気にもとめていなかったんじゃないの?」と彼女は言う。
「あなたはこれまで自分のことしか考えてこなかったのよ」と。
私は、妻のこの言葉を折に触れて思い出す。
俺は自分のことしか考えていないんじゃないか
と、恐怖に近い感情を覚えることがある。
上手く言えないが、他者同士が一緒に暮らすことって
そんなに簡単じゃないと思っている。
『ねじまき』ではこのあと奥さんが姿を消して、
主人公はそこから壮大な物語に呑みこまれてゆくことになる。
私にもこれから先、「深い井戸」を掘る機会がやってくるのか。