〓筑波書房 書評情報〓(日本農業新聞 2024年5月5日号 書評欄に載りました)『伊那谷研究の半世紀 労働市場から紐解く農業構造』山崎 亮一・新井 祥穂・氷見 理 編  税込価格 3,300円+税→(https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784811906713)
【書評内容】 
 副題は、「労働市場から紐解く農業構造」。本書は2015年に筑波書房から刊行した、星野勉、山崎亮一編著『伊那谷の地域農業システム―宮田方式と飯島方式』の続編である。
 前著で記せられた研究は、09年に長野県伊那谷地方(宮田村、飯島町)で定期観測として集落調査を行った成果であった。その後、19年に、宮田村N集落で、組織的な集落調査を新たに実施して、その地域農場制の実践事例を分析し「雇用劣化」と呼ぶ社会経済状況の新たな特徴、それに対応した農業構造の動向を捉えているのが本書である。
 本書は3人の編者の他、6人の研究者を加え、9人が執筆に当たっている。