〓筑波書房 書評情報〓(雑誌「経済」2023年8月号 新刊紹介に載りました)暮らしのなかの食と農69『窒素過剰問題とドイツの有機農業』 河原林 孝由基・村田 武 著 税込価格 990円+税→(https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784811906508)
【書評内容】
 窒素(N)、は、リン酸(P)、カリウム(K)と並ぶ肥料の三大要素です。1913年
ハーバー・ボッシュ法によるアンモニアの工業的製法の実現により、空気中の窒素から肥料の原料となるアンモニアの製造が可能になりました。これにより窒素肥料の大量生産が実現し、20世紀の食料増産と人口爆発を支えています。一方、長期間安定していた地球上の窒素循環は激変し、過剰な窒素が引き起こす様々な問題が顕在化しています。本書は、農業生体系と農村の物質代謝を重視し、地力と生産力を長期的に維持し、自然と調和して環境負荷を低減しながら食料を生産する有機農業によって、この問題の解消に取り組むドイツの農業・農村の実践を紹介します。農業から持続可能な社会のあり方を考えます。