〓筑波書房 書評情報〓(日本農業新聞 2022年11月27日号 書評欄に載りました。)『産直と地産地消の地平を拓く』野見山 敏雄 著 税込価格 1,320円+税→(https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784811906201)
【書評内容】
 著者は、長年、産直と地産地消の研究を続けてきた。本書はその研究の到達点を明らかにし、後進の研究者に今後の研究を委ねるためのものと位置付けている。産直の定義を特定の生産者と消費者が交流し、相互理解と相互信頼の下で行われる計画的で、継続的な商品の取引と規定する。かつて産直研究は「キワモノ」の研究分野だったいう。だが、卸売市場の低迷と農協共販の地位低下を背景に、周辺部分だった産直が基軸へ移行し、その地平を拓いた。
 地産地消の定義を、地域(地場)生産、地域(地場)消費の略称として使う。地域主義の思想や有機農業の分野で同様な用語が使われ、身土不二と深い関連があるとする。傾聴に値する考えだ。