Grady Tateさん | 敦賀明子のN.Y.漫遊記

敦賀明子のN.Y.漫遊記

NewYork在住のジャズオルガニスト敦賀明子の日記です。

2004年に発売された私の日本デビュー作、「ハーレムドリームズ」収録の時の一枚。

Photographed by John Abbott

 

 

歴史的なジャズドラマー、そしてシンガー、そして私自身の恩人であるグラディ・テイトさんが10月8日にお亡くなりになりました。享年85歳。

 

グラディさんの訃報を聞いたのは10月9日のHot Hose Jazz Awardの授賞式でした。

私は授賞式で一番最初に名前を呼ばれ、今までお世話になった恩人(メンター)の名前と共に感謝の言葉をスピーチさせてもらいました。もちろんその中で真っ先に上げたのがグラディさん。なぜなら私がアメリカに来るきっかけを与えてくれた人だからでした。

 

そして・・・それから約一時間後、Jazz Foundation of America(ミュージシャンの共済組合のようなもの)の人がスピーチをして、その中でグラディさんが亡くなったことを聞きました。全く寝耳に水でさっきまでの嬉しかった気持ちと悲しい気持ちが入り交じってとっても混乱しました。グラディさんは何年もディメンシア(Dimentia、認知症)にかかっていて、病気の影響で寝ているときに亡くなったそうです。

 

記憶がなくなりつつあるのを本人も自覚していたので、グラディさん自身もとてもつらく、私自身も電話で話す度にグラディさんの記憶がだんだんなくなっていくのを感じ、これからグラディさんはどうなっていくのか・・と思うと恐ろしく、やりきれない思いをしました。

天に召されてきっと楽になったのだと思うようにしていますが、やはり寂しく、もっと何かしてあげられることはなかったのか?とこの一週間ずっと考えていました。この夏の終わりに久しぶりにグラディさんの近況を人づてに聞いたときには身体は元気そうだったので安心していたので、グラディさんがこの世からいなくなった事を理解するのに時間がかかってしまいました。

 

グラディさんとはたくさんの想い出があり、私自身も忘れたくないのでここに少しずつ書いていきたいと思っています。

 

グラディさん、今までどうもありがとう!安らかに眠ってください。Rest In Peace