【 小林製薬:コーポレートガバナンス上の問題 】
小林製薬の紅麹関連被害が連日広がっている。
上場企業としてのコーポレートガバナンス上の問題について。(その2)
2-2.コーポレートガバナンス(出所:https://www.kobayashi.co.jp/corporate/governance/)
< リスク管理委員会 >
小林製薬グループにおける経営リスクの顕在化を未然に防止、あるいは顕在化した場合の影響を極小化することを目的に主要役員を構成員としてリスク管理委員会を設置し、リスクマネジメント体制の構築及び推進を図っています。
< 内部統制システムの基本方針 >
3.当社およびグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制(一部抜粋)
(1)平時のリスク管理体制
1)職制上のレポーティングライン(上長への報告等)に、リスク情報が適時に報告される体制を確保するため、「仕事の前では平等の精神の下」、上長に対して意見が言える組織風土の醸成に資する取り組みを継続的に行います。
2)危機管理規程に基づき、危機管理情報の当社社長への報告体制を整備します。
6)リスクマネジメントの推進部門を設け、経営リスクマネジメント規程に従い、横断的なリスクマネジメント体制の整備、運用、検証およびリスク情報の一元管理を行います。
9)各専門部門において、当社グループにおける法令遵守やリスク管理等が行われるよう支援および指導を行います。
10)法令に基づく情報開示を適切に行うとともに、全てのステークホルダーの様々な関心事に応える情報提供を行います。
(2)有事のクライシス対応体制
1)危機管理規程に基づき、当社社長を危機管理本部長とする危機管理本部を設置します。コンプライアンス違反等のクライシス発生時には、速やかに事態を適正に収拾させるとともに、原因の究明、経緯と影響度の把握、再発防止策の立案を実施します。
2)ウイルス感染症や自然災害等の重大クライシスに対応するために、対策マニュアルや事業継続計画(BCP)等のコンティンジェンシープランを策定します。
< 疑問点 >
1)リスク管理委員会は設置されたか
2)リスク情報が適時に社長まで報告されたか
3)リスク情報の一元管理はできたか
4)法令遵守/リスク管理に問題はなかったか
5)危機管理本部は設置されたか
6)原因の究明方法に問題はなかったか、等
ご参考)日経電子版『進退「今は考えていない」小林製薬社長一問一答 プベルル酸公表把握せず』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79666320Z20C24A3TB0000/
<感想>
上記コーポレートガバナンス上の疑問点については、会社からの詳細な開示を待ちたいが、複数の問題があったものと思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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