荏原製作所のCBコールオプション行使
2016/11/14、荏原製作所( 6361)がCBのコールオプションを行使した。
コールオプションとは、(最終)償還期限前に発行会社側から繰上償還できる権利を投資家宛に行使するもの。
以下は会社のプレスリリース(http://www.ebara.co.jp/ir/release/pdf/2016/news20161114.pdf)より。
1.繰上償還を行う理由
本社債要項第11項第(4)号に定める130%コール条項に従い、繰上償還期日に残存する本社債の全部を繰上償還することを決定
2.繰上償還の方法
全額繰上償還による
3.繰上償還する銘柄
130%コールオプション条項付第6回CB
4.転換請求期間満了日
H28/12/13
5.繰上償還期日
H28/12/15
6.繰上償還金額
各社債の金額100円につき金100円
(参考)CBの概要
1.発行日 H25/3/12
2.発行総額 200億円
3.未償還残高 199億7,300万円(H28/11/11現在)
4.従来の償還期限 H30/3/19
5.利率 本社債には利息を付さない。
6.転換価額 2,349円50銭
※H28/12/13(転換可能最終日)終値:3,175円
⇒パリティ=135.1円(3,175÷2,349.5×100)
⇒投資家は、CBを株式に転換して株式を売れば、「売却益」を得られるが、転換しなければH28/12/15に100円で償還されてしまう・・・(下記2.(1)の理由)
発行会社の選択肢(オプション)
1.コールオプションを行使しない
その後、
(1) 株価が低迷してCB未転換のまま償還期日を迎えた場合 ⇒ CBを償還する必要あり(=償還資金の手当が必要)
(2) 株価がインザマネーでCBが転換される ⇒ 結果的にはコールオプション行使と同様
2.コールオプションを行使する
(1) CBが早期(〜2016/12/13)に転換される ⇒ 発行会社の企図はこちら(資本増強かつCB償還資金の手当不要)
(2) 投資家がCBを転換し忘れた場合 ⇒ CB償還(2016/12/15)
資本コストやROE等のことを考えると早期転換が良いとばかりは言えないが、まぁ、折角付与された権利でもあるし、コールオプションを行使した方が相対比較では良いと判断したものと思われる。
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