はじめての感情に出会った時、もうこの初めての感覚はこれから二度と味わえないんだよなと思うことがあります。
人との「はじめまして」なんかは特にそうで、皆さんは周りの知り合いや友人との出会いとか覚えていますか?
どんどんと記憶がぼんやりしていくなかで、なんとなくこうだったよね、ってなる感覚。
「はじめて」とは、なんと儚いものなんでしょう。
改めまして、どうも鶴野です。
朗読劇「アンシャンテ・ノエル」
脚本・演出、そして初日のピケ役を演じました!
楽しかったー!!!
今回のブログはアンシャンテ・ノエル、略してアンノエのちょっとした裏話、書いてる時に考えてたことをちょこっと書こうかなと思っています。
まず第一に、今回は三本のオムニバスだったのですが、めちゃくちゃ執筆が難航しました!!!!
そもそも70分で起承転結を組み込むのも初心者には難しいんですが、それを、一本20分程度のもので組み込むの、やばい。
元々短編を書く方が好きではありますが、朗読劇、しかも三本まとめて見た時どうなるのか、というのがかなり難点でした。
結果的にオムニバス形式ではあるけれどひとつの作品として成り立つように、そして、どうにか上手いこと色々な意味合いを散りばめられるようにと模索していきました。
ですが結論としては、女の子同士がなんか可愛いことしてる図がみたい……で突き進んだ気がします。
マシュマロの食べさせあいが、見たかった。
好きと言い合ってるところが、見たかった。
見つめあってるところが、見たかった。
女で良かったなって思いました。
演出で「2人、ここで見つめあってほしくて……」
「ここで、ちょっと、あの、手、手を握りあってみて、アァっ、かわい!かわいい!それ採用で!!!!」
「もっとこう、好きって言って欲しい……好きって思って欲しい……」
って伝えるの、下手したらヤバい図だもんね。
下手しなくてもヤバい図だったかもしれんね。
衣装も、私が女の子のワンピース姿を見たいという一心で衣装さんにイメージを伝えまくってました。
絶対ヘッドドレスとかリボンとか付けたくてぇ!!
あと白タイツをみんなに履いてほしくてぇ!!
……これも下手したらヤバい図だったね、危ない。
ふぅ。
今回の演出はずっと、オタク的にこうしてほしい、をひたすらに伝えて叶えてもらう形でした。
キャストの皆さんには頭が上がりません。
挙動不審な私に付き合ってくれてありがとうございます。
さて、ここからは作品の裏話です。
アンシャンテ
フランス語で「はじめまして」という意味。
「〜がとても嬉しい」
「〜にとても満足している」
「魔法にかけられた」
という意味もあります。
そんな、クリスマスの話です。
各キャラクターの名前について
キャシー
メル
キャラメルの名前を2人で分け合っています。
カラメリゼ、というのは砂糖に熱を加えキャラメル化させる工程。
恋、そして愛という熱が加わる度に、酸化していく記憶。
そんな理由から、タイトルが「記憶カラメリゼ」となっています。
ラーザ
パージュ
ラーザはアラザン
パージュはナパージュ
アラザンは銀色の丸いつぶつぶのやつです。
歯ごたえがあるけど甘くて美味しいよね。
ナパージュは上掛け・ツヤ出しに使用するジャム状または液状のゼリーです。
つややかで甘くてドロっとしたやつ。
二人はキュートアグレッションという、可愛いすぎると脳が防御反応として噛みつきたくなったり、傷つけてしまいたくなる症状から名前をとって「キュートデコレーション」というタイトルです。
ルセット
ピケ
ルセットはレシピ
ピケは生地に穴をあける
という意味です。
この2人だけ、食べられる名前ではありません。
イレギュラーな二人です。
そして、2人の名前を合わせると
ピケット(監視員)という意味にもあります。
見張る人ですね。だから見回りも担当しているのかな?何を監視しているんでしょう。
タイトルは「アンシャンテの夢」
夢見たい、夢みたい、夢みたくない、魔法にかけられた夢、たくさん意味があります。
各話について
記憶カラメリゼ
この2人は名前を分け合っている、2人で一つの命です。
ただ、カラメリゼ、溶け合って本当に一つになってしまったら、もはや相手を認識できなくなるのではないか?
目の前の相手と一つになる事は、本当に幸せな事なのだろうか?
という話です。
キュートデコレーション
相手の泣き顔が好きで、相手の怒った顔が好きで、という歪んだ癖を持ったもの同士の話。
win-winだね。
ただパージュはどれだけラーザを傷つけても、ナパージュはドロドロでむしろ包み込むタイプのお菓子なので傷つけられないし
ラーザはラーザで、アラザンは固いので衝撃に強いという、相性抜群な組み合わせ。
甘々な組み合わせだー!!!
アンシャンテの夢
ピケはルセットに好かれたくて色んな自分を試します。
子供っぽくなってみたり、大人ぶってみたり、不器用な子供が好きな子にアプローチをかけるイメージ。
そしてサンタさんの本質にも近づきますが、結局好きな子から好きと言われたら嬉しくてなんかもうそれ以外どうでもよくなるやつ。
夢みたいな話だね。
夢じゃないといいね。
サンタについて
サンタは明言しすぎると考察が楽しくないと思うのでふわっとした話だけ書きます。
サンタの最初のキャラ付けは
「寂しい男」
「クリぼっち」
でした。
私は今年もクリスマスを1人で過ごす予定なんですが、別に悲しくない、ただの普通の1日だし!と思いつつちょっと周りが羨ましい、複雑な気持ちになります。
実家にいた頃は毎年、クリスマスは家族みんなでクリスマスのチキンやコーンスープを囲むのが当たり前で、だからこそ寂しいのです。
かと言って無理に予定を立てるのも、人混みやだしなーってなるので、どうしようもない。
なので、各コンテンツのクリスマスボイスを堪能する、2次元にクリスマスを求める人間と化します。
2次元って好みの人間しかいないから、理想郷だよなぁ。
好みの人間だけ集めてクリスマスパーティしたら、最高だよなぁ。
究極、推しと推しがクリスマス堪能してる所の壁か天井になりてぇ〜。
……が、サンタの基盤にある事だけは明言しておきます。
最後に
この話の肝は最後の最後にあるサンタのセリフに詰まっています。愛について。
そして、
今日はクリスマス。けれど明日からもクリスマス。楽しいクリスマスがやってくる!だから今日はゆっくりおやすみ。メリークリスマス!!
こんな感じ。
矛盾しているようで、実はしていない文章です。
君は理解出来たかな?
愛ってふあふあしているからこそ、人によって形も大きさも見え方も違う。
愛し合う2人でさえ、その形はバラバラ。
けれどバラバラだったとしても、それが相手にとって心地の良いものならば万事OKで、相性が良いということになるのです。
愛って甘くてドロドロしていて面白い!
女の子って可愛くて甘そうで柔らかそう!!
たまんねー!!!
的な話でした。
あと、最後に流れる「金平糖の精の踊り」
そもそもにこの話が「くるみ割り人形」からインスピレーションを受けて思いついたので、最初から絶対これで終わるぞの気持ちでした。
金平糖の精の踊りはお菓子の国のとても楽しい華やかなシーンで流れるので大好きです。
くるみ割り人形が壊れたことで出会えたお菓子の国。
そこに広がる華やかで可愛くて楽しい世界は全部夢だけど、すごい設定だよなー。
私もくるみ割り人形を助けて王子様に出会いたい、ナ……。
残りは秘密にしておきます。
マシュマロに包んでおこうね。
ということで、ここまで読んでくださりありがとうございました。
鶴野先生の次回作にご期待くださーい!!!!
あでゅー!!!!