アンペイドワークへの支援の考え方については、本年3月の予算特別委員会で取り上げました。
 



今日の新聞記事で取り上げられていた、「共働きも専業主婦も働きすぎ」の記事で指摘されていることを、
ヘイゼル・ヘンダーソンさんやローマクラブの指摘、逃げるは恥だが役に立つのドラマの内容なども引用しながら、
アンペイドワークへの支援の考え方について、質疑しました。
 
行政として担うことによって、社会がスムースに動くような支援は必要だと思います。
 
以下、予算特別委員会での質疑(参考)。
○つる委員
次に、品川区は、昨年の施政方針でも示されておりますけれども、区の施策の表し方として、幸福度、 また満足度ということで、今年度も様々な形で進んでいるわけでありますが、今後、幸福の基準や、い わゆる家庭の位置づけということが、その価値観の転換が様々な形で必要になっていくと思います。こ れは、男性・女性という言い方は私はあまり好きではないのですが、働いていただく方が多く社会に出 ていかなければ成り立たない社会になっている。まさに、SDGsは今、推進中でありますが、持続可 能にならない社会になってしまうという危機感の共有というのも、これは一方で必要かと思う中で、既 にローマクラブが1972年に、成長の限界というところで様々指標を示されて、今のままで100年 後の世界はなくなるのだという警鐘を鳴らしたなどというようなことがあったり、また、今の幸福度な どにつながっていく、同じ系譜といいましょうか、その中では、例えば「カルバート・ヘンダーソン生 活の質指標」というのがあって、これは当時はGNPでありましたけれども、そこには、いわゆる潜在 的な労働、いわゆる市場を回っていく財や物、サービスの供給や提供などは評価されるのだけれども、-43- そこには見えてこないものについては反映されていない。それをしっかり反映する、いわゆる幸福度の 指標化というようなことも示されていく中で、「カルバート・ヘンダーソン生活の質指標」を作成され た一人の方でヘイゼル・ヘンダーソンさんが、愛情の経済学という名前をつけて、これはいわゆる家庭 の中の、様々な家事・育児等も含めた、介護も含めたことになります。これは、70年代前半に、いわ ゆるGNPの数字に現れてこない、お母さんが子どもを一人前の大人へと大事に育てる作業、家族のた めに家事をする労力ということも含んだ全てというふうに位置づけているわけでありますが、こうした ところ。 ここについては、この間、ニュージーランドでしたか、施政方針では事例として挙げられておりまし たけれども、アイスランドでもウェルビーイング・エコノミーということで、女性の首相がそういう施 策展開を進めていらっしゃったり、また、かつて2014年に、アメリカのカード会社だったと思うの ですが、母の日にちなんで、いろいろな人にネットを通じて、こういう仕事があるのだけど君はやるか という面接をやって、ただ、この仕事というのは24時間365日、休日がなくて、ずっと立ち仕事で とか。冗談じゃない、そんな仕事があるのか、やれるわけがないじゃないかと言ったら、実はそれはお 母さんの仕事なのだという動画がかつてあったと思うのです。今であれば、家庭の様々な潜在的な仕事 を担う方という言い方になるのでしょうけれども、そういう動画もあったりもしました。 こういう状況の中で、今回質問を準備する中で、これも2016年ですか、テレビドラマで、「逃げ るは恥だが役に立つ」というドラマは記憶に新しい方もいらっしゃると思うのですが、家事労働の対価 を明確にして、それをテーマにしたドラマだったかと思うのです。これは、機会費用法を活用して家事 労働の単価を算出して、時間や日数などはいろいろ議論があろうかと思うのですが、家事労働が月 額19万4,000円という計算を出して、例えば夫婦のみ世帯であればその2倍の金額が、どちらか が、男性か女性か分からないけれども、外で労働している人は収入が必要だと。そうでないと生活は成 り立たないというような形で示された。こういったことをきっかけに、政府としても内閣府が毎 年、1997年ぐらいからだったと思うのですが、こうした無償労働についても、貨幣化というか見え る化をずっと続けてきているわけであります。 そうした中で、いわゆる私たちは今も含めてそうなのですが、こうして日中、仕事を外でしている。 それは、誰かがそのバックヤードというか、その下でしっかりと支えてくれているからこそできる仕事 という見方をするときに、今までの日本のありようというのは、そうしたものが全てコストオンされて いた給与体系だったりするわけですけれども、今それが大きく変化してきているという課題がある中で、 これはかつて森澤区長も、ご自身の幸福についての考えの中では、過剰な保護でもなく、適度な支援、 サポートにより、一人一人のポテンシャルがしっかりと引き出され、自分の持てる力を発揮し自分の ペースで自分らしく働いたり暮らすことができる状態ということで、ウェルビーイング、幸福について、 それがそういうものなのだというところなのです。 そうした視点を含めると、まさに持続可能な社会、SDGsということで、品川区も今、一生懸命、 推進していただいているわけでありますし、来年度についてはウェルビーイング予算ということで、そ れをまさに応援する予算が、別枠というか、特出しをして表現していただいているわけでありますけれ ども、そういったことが持続可能になる社会をつくるためには、お一人お一人が持続可能な状態、いわ ゆるその方のウェルビーイングが維持されているという状況がすごく大事なのだという観点から、どこ までこうしたいわゆる家事労働というか無償労働、アンペイドワークと言いますけれども、こうしたと ころへの支援。これは、例えば先ほど挙げられましたベビーシッターについては、「理由を問わ-44- ず365日24時間使えます。年間144時間です」とあります。こうしたところも、まさに1つの見 えない部分の家事労働に対する支援や、介護サービスを活用した部分であろうかと思いますけれども、 まさに個人のウェルビーイングが維持できるような支援は、どこまで品川区が支援していくことが重要 なのかということを問題意識として持ちましたので、今現在の品川区の認識を教えてください。
 
○企画課長
様々なご質問を頂きました。 順番にお答えさせていただくと、まず委員がご紹介の家庭での労働の捉え方と支援策というところで、 国で定期的に調査しておりまして、女性が77.5%、男性が22.5%というところで、女性の比率の ほうが圧倒的に大きいというところです。現在、区の取組といたしましては、まさにジェンダー平等に よる多様な生き方の選択を推進するというところで、周知啓発に非常に努めているというところ。あと、 お子さんのいる世帯につきましても、産後の育児家事支援やオアシスルームの拡充、未就園児の定期預 かりなど、様々やっているところで、家事労働に対する世の中の考え方や国の取組など、動向等も様々 注視しながら、区民に求められる施策をしていくというのが、区としてまず捉えていくところだと考え ております。引き続き、ウェルビーイングの実現に向けまして、区民から真に求められるサービス、こ れもエビデンスベースで、統計のデータやアンケートを活用したり、様々なデータを活用して、きちん とした根拠を持って、スピード感を持って施策を進めていくというところで、引き続き頑張っていきた いと思っております。
 
○つる委員
総論的な形でしか、なかなかご答弁は頂けないかと思いますが、今、既存のサービス、 そしてまた、先ほど指摘させていただきました、いわゆる現役、そして高齢世代・世帯の方々の支援策 というのが、先ほど言った認識から申し上げると、やはり個人のウェルビーイングを維持することを支 援するのかということが、区の責務としてもあるのかと思います。 その上で、いわゆる幸福というのは、何でもかんでも全てがかなって、パーフェクトに幸福というこ とではないのかと思うのです。例えば私たちは40人いますが、選挙というものを通して、本当に大変 な思いをして応援していただいた方のおかげで、こうした立場があるということを考えると、やはりそ ういう努力や、何かに耐えるとか打ち込むといった、ネガティブな感情といいましょうか、そうしたこ ともあって初めて幸福を実感できるという部分もあろうかというところでは、そういう視点も、ウェル ビーイングの施策を推進していくに当たっては必要な観点なのかと思います。 また、今現状、様々な形でしんどい状況が、本当に今、心の部分やメンタルのケアなどの施策も大き く拡充してきているわけでありますけれども、今、どんなしんどい状況にあっても、品川区が背中をぽ んと支えてくれて、共にこの歩みを進んでいけるような、そして一歩前進していけるような勇気もとも に与えていけるように、施策展開を令和6年度もしっかりと、様々既にウェルビーイング予算としてつ けていただいているわけでありますが、それをさらに、品川区だけではなくて全国に展開できるような、 まさに全国の施策、また東京都、国を誘引するような施策展開をこれから期待したいと思いますので、 また引き続き、あした以降、様々な提案をさせていただきたいと思います。
 
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