「欄室(らんしつ)の友」 | つりざんマンの日記

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小さな食料品店の5代目。63歳の時、身体を壊しリタイヤ。幼少の頃から魚釣りが好きだったが、最近はカメラで鳥を追っている。自然が大好きなヨレヨレジジの日記です。

「良き友情」を高貴な欄(らん)の香りに例えた言葉を「欄室の友」と言うらしい。
そんな高貴な友に初めて出会ったのは、8年前の病院の一室。
ワタシの1回目の癌手術の後、鬼女房にもがん検診を受けさせると、肺に影が見つかり、その検査のために市民病院に連れて行った日、病院のコンビニで、突然「つりざんマンさんでしょ!」と声を掛けられ、その方の病室に強引に引き込まれたのが、初めての出会い。
1枚目の写真はその時、奥さまが撮ってくださった。
その方のベッドには鮎の仕掛け作りの机が・・
その机の上には作成中の鮎のハリが無造作に置かれていた・・ガハっ!
この方も鮎釣りのプログをやっておられ、いっぺんで意気投合!♥。
この方のブログ名は「遠ちゃん」で、癌の治療で入院中だった。
以来、鬼女房の肺の影の経過観察に来る度に、不思議とバッタリと遠ちゃんに会うようになった。
その度に、病室に行って話し込んだ。。それ以来、心通う人となった。
一緒に鮎釣りに行く約束していた矢先、遠ちゃんはガンで旅立った。
葬儀は浜田川の下流の新留渡船の隣の葬儀場だった。
お互い癌に負けまいと励まし合ってきたのに・・
棺桶に手を添えると涙が溢れた。
ワタシが2回目のがん手術の時も、「ハタさん!大丈夫!今の医学は素晴らしいから!」と力強く励ましてくれた言葉が今も脳裏から離れない。
遠ちゃんは浜田で歯医者さんをされていた。
手先が器用で、鮎釣りの針を沢山作っておられた。
奥さまから貴重な針を頂き、八戸川や匹見川で釣って奥様に届けた。
その度に家の横のお墓に手を合わせた。
先日、奥様から届いたタケノコのお礼に僅かなお供えを持参すると、お墓に1輪の花が指してあった。
山の裾野に咲く「シャガ」の花だった。
ワタシが大好きな花である。
小さな花だが、欄のように美しい花で、初めて山で見た時は心が奪われた。
極寒の2月3月を超え、山桜も終わりを迎える頃、山の麓の日陰で群生して咲くこの花。
先日も目に止まってシャッターを押した。
この花の花言葉は「友人が多い」。
この花は土の中に根茎を張り、いくつのもの花を咲かせる性質に由来する。
シャガは種子をつけない代わりに土の中で繁殖する不思議な植物である。
病室で出会ったのが、初めての出会いだったが、お互いが励ましあって生きた数年は、良き友情で結ばれた「欄室の友」として忘れられない人なのである。

先日、その病院に鬼女房の経過観察の報告を聞きに行くと、担当医が
「もう8年になりますね。影は大きくならず、血液検査も数値が、すっかり良くなってますよ。じゃあ1年後に・・」

ワタシもこの8年間で、癌手術2回、放射能治療1回。
脳梗塞1回。心臓治療1回。
それでも、なんとか生き延びている。

もうすぐ、6月1日。
鮎釣り解禁の日がまた訪れる。

ほいじゃまた!♪