「キビタキの警笛」裏山4/24 | つりざんマンの日記

つりざんマンの日記

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小さな食料品店の5代目。63歳の時、身体を壊しリタイヤ。幼少の頃から魚釣りが好きだったが、最近はカメラで鳥を追っている。自然が大好きなヨレヨレジジの日記です。

今年は、あれほど合えなかったキビタキだったが、好かれたのだろうか、裏山に登るとすぐにお出迎え・・♥。
家から出てすぐのバイパスは、裏山の造成工事でマルハゲにされた。頂上の駐車場にたどり着くと参道は霧に覆われていた。
霧はだんだん小雨になり、大粒の雨になってきたんで、雨宿り。
雨はひどくなるばかり、、ムム、、帰れん。
車の駐車場までは300m。身体は濡れてもカメラが濡る。
ドショ?
雨粒とにらめっこ。
遅咲きの八重桜が、雨に打たれて散っている。
目の前の池の名前は「蛇の池」。その名前の謂れが書かれた立て札を読んだ・・
その昔、この池には大蛇が住んでいた。
頭が8つ尻尾が3つに分かれた大蛇。
ムム・・ワタシが小さい頃、オヤジから聞いた話とちょっと違う・・その大蛇は腹がへると、山から降りて来ては人を食っていた、その血の色で池の周りの山道はすべて血に染まり今も赤色だ。と
「そりゃ赤土じゃろが」と子供心でもわかってたが黙っていた・・ガハっ!

その大蛇は春の雨の夜に島根県出雲までズリズリと這って行き秋なると帰って来た。
そんなある年、その大蛇はスサノオノミコトに退治され帰って来なくなった。、以来大蛇が山を這う音は聞こえなくなった。

はぁ~~あ。。ヤレヤレ。。。。
すると、、途端、池の水面が大きく膨らみ音をたてた!
バシャーーーーン!
ワォーーーーっ!!!!!!!
ドボーーーーーーーンっ!!!
ドボーーーーーーーンっ!!!
水面を見ると、それは真っ黒な黒鯉だった。 
だんだん恐くなって来て、頭の後ろに着いているフードを被り、雨の中を車まで走った。。
先ほど跳ねていた、黒鯉がまた跳ねた。
ドボーーーーーーン!!!
ドボーーーーーーン!!!
72才のこのジジは根性で車まで走った。
バサっ!バサっ!バサっ!
ワォーーーーーっ!!!!!
振り向くと先ほどまで頭の上で木を叩いていた大きなキツツキが羽音をたてて追ってきた!
ハァーーハァーーゼーゼー!!
「バカヤローーっ!ワシャ!この間、心臓手術を受けたばかりじゃ!アホっ!」
車までヨタヨタ走ると、後部席へカメラを堀込み、車に転げ込んだ。。
そんな裏山(極楽寺山)だが、幼少の頃から走り回って遊んでいた山なので怖さはなかった。
この山から見下ろす町は、ワタシにとって、宮沢賢治の生まれ育った岩手県の理想郷「イートハート」と同じ心像景色なのだ。
最近は目の前に見える景色を心に残そうとシャッターを切り続ける・・
あと何回、この景色が見れるんだろう・・パシャリ!
パシャリ!
帰り道、この山で育った杉の大木が何か叫んだ・・
「おい!老いぼれジジよ!
お前達は何才まで生きるんだ?
最近、また山の下で造成を始めやがったなっ!」
シトシトと濡れる杉の古木の奥で黄色いカッパを羽織ったキビタキの警官が、交通整理でもするかのように、
ピーピーピリリ♪
ピーピーピリリ♪
ぴっぴっぴっぴりりりりりりーーっ!♪♪♪
と、けたたましい音で警笛を鳴らしていた。。

ほいじゃまた!♪