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つれづれログ

色々な事を徒然なるままに書いていこうと思います

インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)/中谷 美紀
¥600
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チューブわさびで体内消毒に励み、持参した
ウエットティッシュは数知れず。
そんな努力の甲斐もむなしく、腹痛に見舞われ、暑いホテルで
一人淋しく回復を持つ。
町に出れば、パスポートを盗まれ、警察署長に懇願書を書くはめに…。
単身インドに乗り込んだ、女優・中谷美紀に襲い掛かる困難の数々。
泣いて、笑った38日間の一人旅の記録。
第一弾。

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まずタイトルが目に入って、著者を見たら「中谷美紀」。

特にファンって訳でも無いけれど、こういう物書きの仕事もしていたとは
意外だった。

そしてインドに一人旅する程、アグレッシブな女性だったとは!
しかも4回も行ってるし

素顔の中谷さんの印象がなかったから、色々な一面を読み取ることが
できて良かった。

今後、ドラマや映画で見かける時は今までとは違った側面で彼女の
お芝居を観る事ができると思う。

インドは急速に経済成長している国だけど、歴史もあるし、まだまだ
発展し切れていない部分も結構あるようだ。

この旅行記からもそれが読み取れる。
まぁ、2005年時点でのインドなので、それから5年の時が経った今では
ちょっと事情が違うのかもしれないけど。


タージマハルやヨガなど特有の文化はやはり魅力的。

それに対して衛生状態はあまり良くないようで…。
中谷さんも体調崩したりした様子。

物価も安いんだけど、ほぼ確実に値切り交渉する中谷さん(笑)。
インド人も観光客相手に結構ふっかけてきてるみたいなので、
なかなかのバトルに。

世界の観光地で日本人って騙されてる所あるみたいだし、
値段の交渉するのも悪くないと思った。
まぁ、海外旅行に対する興味はあまり強くないのだけれども。

ヨガにはあまり興味無いのだけれども、瞑想に関してはなかなか
面白いと思った。
上手く瞑想する事で、この上ない幸福感を感じる事ができるという。
練習してみようかな。

食べ物はカレーやチャパティー、ナンなどかなり美味しそう。
ベジタリアンでも太れるそうで(笑)。

カースト制度は、かなりその影響力を失っているみたいだけど、
名残は根強く残っているそうで…。
ナンセンスな物だと思うけど、歴史的な物だからゆっくり変わって
いくしかないんだろうなぁ。


旅行好きとしては読んでて楽しい一冊だった。
続編の旅行記2,3,4もあるようで。
機会があったら読んでみよう。

それはともかく「JIN-仁-」の続編、楽しみだなぁ。
阪急電車 (幻冬舎文庫)/有川 浩
¥560
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隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。
片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。
乗り合わせただけの乗客の人生が少 しずつ交差し、
やがて希望の物語が紡がれる。
恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた
電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。
ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

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ローカル線を舞台とした連作短編。

登場するのは以下のような人達。

似た本の趣味を持つ征志とユキ。
婚約者を知人に奪われた翔子。
孫娘とお出かけ中の時江。
デートDVの被害者ミサと加害者カツヤ。
初々しい大学生カップルの圭一と美帆。
嫌々ながら奥様グループに属する康江。
バカだけど優しい彼氏と付き合う女子高生悦子。

それぞれ全く違う生活を送っている人達だけど、電車という公共の場で
お互いに少しずつ影響を与えていく。


中でも翔子のエピソードはかなりインパクトがあった。
5年も付き合った彼を、妊娠をきっかけとして知人に奪われ、
その復讐の為、彼らの結婚式に白のドレスで出席するという…。

実際そんな結婚式に出席したら気まずいだろうなぁ…。
新郎新婦の立場だったらトラウマだろうなぁ…。

まぁ、新郎新婦共になかなかの最悪具合なので、読んでいる方としては
スッとしてしまうんだけど。

復讐を果たした翔子が、自分の人生に歩み始める様は良かった。


デートDVの件は少し前にTVなどで特集をされていたのを観たけども、
いたたまれないというか、イライラする話だ。

なんでそんな相手を関係を維持するのか?という疑問には、それぞれの
事情という答えがあるんだろうけど、ミサの場合は理由のひとつとして
ルックスのいいカツヤが恋人である事が友達から羨ましがられる事…。
それを失うのが惜しいって…。

ミサみたいな子って現実にも結構いちゃうんだろうなぁ。
冷静に考えると本当に馬鹿げた話なんだけど。
まぁ、人の価値観なんて色々あるから馬鹿にしちゃいけない
事なんだろうけど。

それに関係を切る事からの、相手からの反動が怖いっていうのも
よくある話なんだろう。
ミサの場合は、親友とその兄の大魔神(笑)が居てくれて
助かった訳だけど。
大魔神…、カッコよすぎるぜ。
ミサと幸せになっていただきたい!


他のエピソードもほんわかしてたり、微笑ましかったりして
良いエピソードが満載。

僕自身、数年前は電車通勤をしていたけれども、電車内での
知らない人達との、極めてゆるーい繋がりが好きだった。

そこは乗員分の日常の一部分を、年齢や性別を超えて
共有している空間だから。

まぁ、朝の通勤ラッシュだけは勘弁だけど(苦笑)。


解説は児玉清さん。
こういう小説も読むんだなぁ。
なんか意外だけど、ちょっと親近感。


2011年に映画化されるそうで。
主演は中谷美紀さん。
翔子を演じられるそうで、どんな感じになるのか楽しみだなぁ。
ちょっと変わった守護天使 (文春文庫)/山崎 マキコ
¥570
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不倫解消で閑職に飛ばされた本宮つぐみ。
仕事に全てを捧げ、横目で寿退社を延々見送ってきたのにこの始末…
ドツボな彼女の前に「二次元にしか理想の女はいない」と口走る
五歳年下のネットワークエンジニアが登場し、奇妙な同棲が始まるが、
そこへ昔の男が現れて。
草食男子の可愛さ炸裂。
三十路の幸福を探る書き下ろし長編。

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一般的な男女のイメージから逆転している2人の関係が面白い作品。

仕事が出来て、酒好き、家事は苦手なつぐみ(34歳)。

料理が得意でオタクな桜井(29歳童貞)。

この2人が同棲生活を始めて…といったお話。


完全に僕が持っているイメージだけど、恋愛を描いた作品だと、
女性優位な関係が多いように思う。
主人公が男性である事が多く、その主観だからかもしれないけど。

でもこの作品は、桜井がつぐみの事をオッサン呼ばわりしたり、
その食生活に呆れたりして面白い。


つぐみは同棲しているにも関わらず、桜井が自分に手を出さない事で
本当に自分の事が好きなのかどうか分からない不安を持つ。

それに対して桜井は、つぐみの事が好きである事を、
手を出すことではなく他の行動で示す。

世間はいわゆる「草食男子」に対して、ネガティブなイメージを
持っていると思うけど、こんな愛情の形だってアリだと思うし、
言葉と行動の両方でつぐみへの愛を証明した辺り、なんだかんだで
桜井は男だなと思った。


それに対し、あらすじの昔の男である椎名。
いわゆるプレイボーイ、てかジゴロかな。

桜井と椎名では世間の女性は圧倒的に椎名を選んでしまうだろう。
理解は出来るけど、納得行かない事だ。
まぁ、僕自信がどちらかと言うと桜井側に立つ人間だからだろう(笑)。

だからこそつぐみの選択は良かったし、つぐみにとって幸せなのは
桜井と共に歩む道だろう。

桜井にはつぐみしかいないだろうけど、椎名はいくらでも相手選べる
だろうから、全く問題無いし。
椎名の奥さんは、浮気とかで可愛そうな目にあうかもだけど…。

伏線はいくらかあったけど、桜井がお金持ちだったのはう~ん。
まぁ、分かりやすい幸せの形ではあるけど。


最後のシーンも面白くて良かった。
この作家さんの作品、好きかも。