- 走れ!T校バスケット部〈2〉 (幻冬舎文庫)/松崎 洋
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因縁の相手、私立H校に勝利し東京大会で優勝したT校バスケ部。
ウインターカップに出場した部員たちは全国の壁を知り、
ますます結束してバスケに打ち込むようになる。
そんな中、陽一たちは練習場所の公園で謎のホームレスと出会って―。
高校生活最後の大会を迎え、部活も恋も友情もより
一層ヒートアップする大人気青春小説シリーズ、第二弾。
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以前、このブログでも感想を書いたシリーズ第2弾。
いつも間にか文庫化されていたので購入。
1巻の感想はこちら
今回は陽一達のウインターカップ、修学旅行、最後の夏の大会、
大学受験、そして卒業までが描かれている。
相変わらずの素朴で簡素な文体。
だがこの作品はそこがイイ!
今作でも個性豊かなメンバーが大活躍。
好きだった俊足キャラ「メガネ」が陸上部に移籍してしまい、残念。
「チビ」の活躍の場を作るためには仕方なかったのか…。
僕自身が陸上部だったからか、スポーツや色々な創作物の中で
登場する俊足キャラってかなり好き。
足が速いという長所がある反面、非力だったりする弱点があるのが
お約束。
メガネにはこれといった弱点は無いんだけれども。
まぁ、陸上部でも大活躍してくれるだけに、残念ではあったけど
不満はそれほど無かった。
やっぱり陸上、特に短距離はセンスだよなぁ。
前作で敵役だったH校のメンツが意外とあっさり改心していて
ちょっと拍子抜け。
正直ヒールに徹して欲しい感情はあった。
けれども、陽一の父が感じたように、人は深く話し合えば分かり
合えるという、希望の見えるお話になった。
人が敗北から得るものも、決して少なくないんだよなぁ。
バスケ部全員が特徴ある成長をしていて嬉しい。
ただ一人、「のぞき魔」を除いては…。
作者はのぞき魔の事を嫌っているのかと思えるほどの扱い。
周りが活躍しているだけに余計に目立つ。
非常にかわいそうだ…。
最後の試合で見せ場があるのかと思っていたら、そんな事は
無かった…。
まぁ、受験勉強に関しては頑張ったので、一応のフォローは
されているのだけれども。
彼の今後の活躍に期待しつつ、続編の文庫化を待とう。