ちょっと変わった守護天使 | つれづれログ

つれづれログ

色々な事を徒然なるままに書いていこうと思います

ちょっと変わった守護天使 (文春文庫)/山崎 マキコ
¥570
Amazon.co.jp

不倫解消で閑職に飛ばされた本宮つぐみ。
仕事に全てを捧げ、横目で寿退社を延々見送ってきたのにこの始末…
ドツボな彼女の前に「二次元にしか理想の女はいない」と口走る
五歳年下のネットワークエンジニアが登場し、奇妙な同棲が始まるが、
そこへ昔の男が現れて。
草食男子の可愛さ炸裂。
三十路の幸福を探る書き下ろし長編。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

一般的な男女のイメージから逆転している2人の関係が面白い作品。

仕事が出来て、酒好き、家事は苦手なつぐみ(34歳)。

料理が得意でオタクな桜井(29歳童貞)。

この2人が同棲生活を始めて…といったお話。


完全に僕が持っているイメージだけど、恋愛を描いた作品だと、
女性優位な関係が多いように思う。
主人公が男性である事が多く、その主観だからかもしれないけど。

でもこの作品は、桜井がつぐみの事をオッサン呼ばわりしたり、
その食生活に呆れたりして面白い。


つぐみは同棲しているにも関わらず、桜井が自分に手を出さない事で
本当に自分の事が好きなのかどうか分からない不安を持つ。

それに対して桜井は、つぐみの事が好きである事を、
手を出すことではなく他の行動で示す。

世間はいわゆる「草食男子」に対して、ネガティブなイメージを
持っていると思うけど、こんな愛情の形だってアリだと思うし、
言葉と行動の両方でつぐみへの愛を証明した辺り、なんだかんだで
桜井は男だなと思った。


それに対し、あらすじの昔の男である椎名。
いわゆるプレイボーイ、てかジゴロかな。

桜井と椎名では世間の女性は圧倒的に椎名を選んでしまうだろう。
理解は出来るけど、納得行かない事だ。
まぁ、僕自信がどちらかと言うと桜井側に立つ人間だからだろう(笑)。

だからこそつぐみの選択は良かったし、つぐみにとって幸せなのは
桜井と共に歩む道だろう。

桜井にはつぐみしかいないだろうけど、椎名はいくらでも相手選べる
だろうから、全く問題無いし。
椎名の奥さんは、浮気とかで可愛そうな目にあうかもだけど…。

伏線はいくらかあったけど、桜井がお金持ちだったのはう~ん。
まぁ、分かりやすい幸せの形ではあるけど。


最後のシーンも面白くて良かった。
この作家さんの作品、好きかも。