魔球 | つれづれログ

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魔球 (講談社文庫)/東野 圭吾
¥580
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9回裏二死満塁、春の選抜高校野球大会、
開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた。
すべてはこの一球に込められていた…。
捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。
野球部の部員たちは疑心暗鬼に駆られた。
高校生活最後の暗転と永遠の純情を描いた青春推理。

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ミステリー大好き!って訳でも無いんだけど、東野作品は好き。
なるべくミステリー色の濃くない作品を選ぼうと思ってチョイス。

でも、ばりばりミステリーでしたw
まぁ、面白かったので良いけど。

作品の魅力としては、須田武志の強力な個性が大きい。

超人的な野球のセンス、そしてプロ野球を目指すための努力。
性格的には強靭な精神力と高校生離れした落ち着いた言動。
その能力と性格ゆえに、周りの野球部員とは確執も…。

ただ、母親と弟に対する愛情は非常に深く、プロ野球を目指している
動機も貧しい生活を少しでも楽にさせようという思いから。

高校生とは思えない強い意思と、家族への愛。
その性格が事件を生んでしまった…。

もしも身近に武志のような人物がいたら、確かに近寄り難いし
お近づきにはなりたくないかもしれない。
才能があって、内気な人は対人的に損する世の中だよなぁ。

ミステリーとしての意外な展開、そして事件の真相も十分楽しめた
けれども、武志の生き方が印象的な作品。