メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット | つれづれログ

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メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)/伊藤 計劃
¥780
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暗号名ソリッド・スネーク。
悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた
伝説の男の肉体は急速な老化に蝕まれていた。
戦争もまた、ナノマシンとネットワークで管理・制御され、利潤追求の
経済行為に変化した。
中東、南米、東欧―見知らぬ戦場に老いたスネークは赴く。
「全世界的な戦争状況」の実現という悪夢に囚われた宿命の
兄弟リキッド・スネークを葬るため、そして自らの呪われた血を断つために。

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同名のPS3用ソフト「MGS4」のノベライズ本。

僕にとってMGSシリーズは、人のプレイを観たことがある程度。
そんなシリーズ未経験の人にも、主人公ソリッドスネークの過去の戦いや、
世界の戦争の歴史が分かるような作りになっている。

物語はスネークの親友のオタコンが語る形で進んでいく。

スネークはクローン人間として生まれ、その遺伝子は寿命が短く
設定されているため、本作では急激な老化状態。
余命があとわずかだという…。
そんなハンディを背負いながら、自分の宿命と闘っていく。

老化による苦しみが頻繁に描かれていて、さらに戦いの中で傷ついて
いくスネークの描写がかなり痛々しい。

そんな風になりながらも、戦うスネーク…。
カッコいいんだけど、悲壮感が強い。
オタコン目線が中心だから余計なのかなぁ。

最終局面でのスネークとオタコンの友情。
そしてリキッドとの決着。
更には闘いの後のそれぞれの人生。

シリーズの集大成だけあってキレイにまとまっている。
ハッピーエンドとは言えないが、読んだ後の気分は良かった。
多少の肩透かし感はあったけれども、それがなければスネークが
不憫すぎたから全然OK。


作者の伊藤計劃さんは去年、肺ガンで亡くなっているそうで…。
老いて病んでいくスネークの苦悩は伊藤さんの闘病生活のそれと
重なっている所もあったのかもなぁ。