1Q84 | つれづれログ

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1Q84 BOOK 3/村上春樹
¥1,995
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1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。

そして2009年、『1Q84』は逆の方向から 1984年を描いた近過去小説である。

そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。

私たちが生きて いる現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。

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『1Q84』シリーズの第3巻。

発売がニュースになったり、特集組まれたりしてやっぱり注目度高いんだなぁ。
書店に行ってもたくさん積まれてたし。
1巻みたく発売日に売り切れてなくて良かった~(*´Д`)=з

1巻と2巻が同時発売で、2巻の終わり方がそこで完結っぽい感じもあったので、
3巻の発表時にはちょっと驚いたし嬉しかった。
いろいろと謎が残ってはいたので。


1巻、2巻は主人公の青豆と天吾のエピソードが交互に展開される形だったが、
今作は3人目の主人公、牛河が加わっている。

牛河は元弁護士の優秀な探偵(?)であり、その容姿は醜いものとして
さんざんな表現がされている。
「福助頭」とか。
彼は教団「さきがけ」に雇われ、青豆の行方を追うことに。
地道な調査を重ね徐々に彼女に迫ります。

ストーリーは父親の看病をする天吾、「さきがけ」から身を隠し天吾を待つ青豆、
それを追う牛河という流れ。

2巻最後で自殺した…はずだったが生きていた青豆。
意外な展開だったけど、あそこで死んでいたら話が成立してなかったなぁ。

青豆の妊娠(しかも天吾の子供!)については驚きの展開だったけど、
2巻での天吾とふかえりとの行為がそれに繋がっている事は察しが付いたし、
謎のひとつであったその行為の理由がはっきりして、なんだか納得してしまった。

お気に入りキャラクターのふかえりについては、今回ほとんど出番が無くて残念…。
彼女の美貌の描写はほんとに魅力的で好きだった。
ひらがなで構成されるセリフも、ミステリアスな雰囲気をかもし出しているし。

まぁ、前作まででその役割のほとんどを終えていたし、牛河とリトルピープルの
関係について、彼女がトリガーになっているように思えるのでそれなりに
目立ってはいるんだけど。
最後まで謎の多い、魅力的な少女だった。

もう1人のお気に入りキャラクターのタマルは大活躍!
教団から隠れて生活する青豆のバックアップ、牛河の処置…。
プロフェッショナルでハードボイルド全開で、男も惚れる男って感じ。
牛河もプロだったが、タマルは格が違った!
作品がアニメ化される事があれば(まぁ、無いだろうけど)、声はスネークの人だな。
まぁ、自称「ホームラン級のゲイ」という属性はアレだけど…。

天吾と青豆の人生は3巻分の話を経て、ようやく交わる事が出来た。
ページ数的に残りわずかの位置だったし、ひょっとして次巻へ続く?とも思えてしまった。
まぁ、なんにせよ2人(子供も合わせて3人)が再会出来てよかったし、
1Q84脱出後の世界がどんなものであれ2人が一緒なら大丈夫だろう。

作中で1984年はほぼ終わっているし、完結したと考えて良いのかな?
謎めいた部分は有るし、生まれてくる2人の子供の事や、
1Q84世界におけるその後の「さきがけ」やふかえりについても気にはなるけど、
文学作品の余韻はこのぐらいあった方がいい気もするし。

余談だけど、村上さんはNHKの事キライなのかなw
それとも一般論的イメージの象徴として描かれているのかな、天吾の父親は。

しっかし長編を読み終えると達成感があるなぁ(*´Д`)=з
お次は軽めの本を読もうかな。