- サクリファイス (新潮文庫)/近藤 史恵
- ¥460
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陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、
各地を転戦していた。
そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。
アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。
かつての恋人との再会、胸に刻印された死。
青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた!
大藪春彦賞受賞作。
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世間はGWだというのに予定無し…。
あぁ~、白川郷行きたいなぁ。
まぁ、本でも読んでまったりと過ごしますよ(・ω・)b
本作を読むきっかけは、下記の短編集「Story Seller」に外伝的な
エピソードが掲載されていたのを読んだ事。
- Story Seller (新潮文庫)/著者不明
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興味を引かれた。
話の大筋は上記のあらすじ通り。
スポーツもの+サスペンスといった感じ。
ロードレースの世界についてはほとんど無知だったけれども、
本書はそんな人にも分かりやすいが、さりげのない説明がされてあり
まったく問題無く読むことが出来た。
観戦の入門書としても勧められているとの事。
チームのエースを勝たせるために、自らを犠牲とするアシスト。
個人競技としてはかなり特殊なスポーツであることが分かった。
日本ではマイナーなスポーツだけれども、自己犠牲の精神って日本人に
好かれそうな物だし、取り上げられ方次第では盛り上がる要素を多分に
持っているスポーツだと思った。
深夜に海外のレース中継が放送されているのを観たことあるけど、
今度観る時は別の視点で観る事ができるはず。
エース岩尾の死は話の展開として、ある意味では必然ではあったかもしれないけど、
何も死ぬことは無かったのでは無いかと思ってしまった。
競技に命をかける姿は美しいとは言え、本当に命を失ってしまってはなぁ…。
サスペンス的には岩尾の真意や、死亡事故の真相など展開的に面白かった。
岩尾の存在が、主人公にとって善なのか悪なのかモヤモヤする感じがなんとも。
ボリュームはそれほど無いので、テンポが良すぎる感はあったけど。
続編の「エデン」もそのうち読んでみようと思う。