- レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)/有川 浩
- ¥420
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しかし、かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった…。
メディアワークス刊「図書 館内乱」の中に登場する書籍「レインツリーの国」が実物となった。
買い溜めしていた有川浩作品の一冊

聴覚障害を持つ女性との恋愛を描いた作品です。
「図書館内乱」に登場する物語だということは、あとがきを読んで思い出した(・_・;)
主要人物が聴覚障害者という事で、聴覚障害についてはかなり勉強になった。
聴覚障害が一つのテーマになっている創作物だと、TVドラマの「オレンジデイズ」とか「星の金貨」かなぁ。
TVドラマだけにそれほど障害自体への掘り下げはなかった気がするけど。
障害があるだけに2人の恋愛には色々な衝突や苦悩があるんだけど、それを真正面から描ききっているのが凄い!
物語のなかには、かなりの量のメール

お互いが自己主張して、自分に非があれば素直にそれを認め、相手が間違った事を言っていればそれを正してやる2人の関係は恋愛関係だけでなく、人間関係の理想系かな。
そんな関係を維持するのはかなり大変そうだけど、それによって成長できる部分もかなりありそう。
アニメ版の「図書館戦争」は、たまたま一話だけ観ただけだったけど、登場人物の1人である聴覚障害者の少女のエピソードがTVで放映できなかったという話にはかなり衝撃を受けた。
解説にも書いてあったが、それではまるで「メディア良化委員会」的な思想だなと。
「差別」という概念が一人歩きしてしまう事で、かえってそれを助長していたり、それを取り去るきっかけを失ってしまっている事って結構あるのかも。
この作品については、障害をテーマとして扱ってはいるものの、お互いの関係について普通に悩んだり、じたばたしてみたりする、良い意味で「普通の恋愛もの」といった印象でした。