シアター! | つれづれログ

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シ アター! (メディアワークス文庫)/有川 浩
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作者は『図書館戦争』シリーズの有川浩さん。

『図書館戦争』シリーズや『海の中』、『空の中』は既読だったけど、作者が女性だった事はこの作品のあとがきを読んで初めて知った(^_^;)

う~ん、確かに読んだ作品の中には女性らしい描写が結構あった…気がする。
恋愛の描写とか特にね。


お話は経営難から存続のピンチを迎えた小劇団「シアターフラッグ」の主宰である春川巧が、その兄の司へ助けを求める所から始まる。

司は巧にお金を貸す代わりに、2年間の期限付きで劇団の収益から貸したお金を返せなければ、劇団を潰す事を約束させる。

それは従来のシアターフラッグでは実現困難な条件だったが、司が収支を厳しく管理し、劇団員皆で力を合わせることでその目標に向かって立ち向かっていく!

表紙を開いた所に登場人物のイラストが一通り掲載されているのが珍しかった。
ラノベみたく、話の中に挿絵は無いんだけれども。
僕的には人物のイメージが湧きやすいのでとてもイイ!

有川さんの作品らしく、登場人物のほとんどが魅力的だった。
司は、同じサラリーマンとして尊敬せざるを得ない「デキる男」っぷりだった。
おそらく読む人の大多数は「司スゲー」ってなるのでは?

司の以下のセリフには凄い説得力を感じた。
「人間が何かを諦めるのに必要な条件って分かる?」
「全力でやって折れることだよ」
何事も全力でやってみない事には、自分の限界って見えないもんなぁ。

他の人物ではシアターフラッグWEBサイトの管理人、茅原のキャラクターがお気に入り。
ニックネームマスターな所は愛嬌あるし、何でもソツなくこなしてるイメージが良い。
顔イラストはネガティブなオーラが漂ってて、まるで悪役なんだけど(^_^;)

物語のヒロイン羽田千歳とシアターフラッグの看板女優である早瀬牧子は、いかにも衝突しそうなポジションだと思っていたけど、ドロドロした展開がなく安心して読むことが出来た。
その辺りも有川さんらしい作品だと思った。

演劇について細かいディテールも描かれていて新鮮だった。
過去何度か演劇を見たことがあったけど、それらは想像以上の多くの作り手に支えられて出来ているのだなと。
細かい費用の話についてはまったく触れる機会無いし。

劇団四季の福岡公演が休止になるニュースがちょっと前に流れていて、その時はたいした感想も無かったんだけど、この作品を読んだ今では演劇に触れる機会の一つが減ってしまうことが非常に残念。


読んだ後は爽やかな気分に浸れる作品でした。
そう言えば日常的な話を描いた有川作品って初めて読んだなぁ。