第72回 代表曲と売れた曲は一致するのか
L’Arc~en~Ciel
90年代半ばから2000年代にかけて、GLAYやLUNA SEAらとバンドの覇権を争った彼らを取り上げてみます。個人的にはかなりカラオケでお世話になりましたが、キャッチーで乗りの良い曲に対して、重厚で難しい曲もバランスよくリリースして、その振れ幅により、次のシングルはいったいどんな感じで攻めて来るのかが気になっていたバンドです。
【順調に認知度を拡大】 1994~1996年
「Blurry Eyes」「Vivid Colors」「夏の憂鬱」
「風にきえないで」「flower」「Lies and Truth」
インディーズで人気だったこともあり、メジャーデビュー後も最初からわりと順調に実績を積み上げていった印象で、3rdまでがオリコン10番台、4th以降はトップ10入りし、売上枚数的にも右肩上がりで、確実にその認知度とファン層を広げていきました。
【大ブレイク】 1997~1997年
「虹」「winter fall」「DIVE TO BLUE」
7thシングル「虹」では、順位を3位にまであげると同時に、売上枚数も劇的に増加し、「虹」では70万枚に到達。さらに「winter fall」「DIVE TO BLUE」と2曲続けてオリコン1位を獲得し、枚数的にも80万枚超え。この年のシングルはタイプが違いながらも、いずれも耳なじみの良いメロディーの作品で、ファンを広げるには絶好の楽曲が続いたといえるでしょうか。
【人気大爆発】 1998年
「HONEY」「浸食」「花葬」「snow drop」「forbidden lover」]
そしてついに「HONNEY」「花葬」ではミリオンセラーを達成しますが、なんといってもこの「HONEY」と併せて3曲同時発売という中でミリオン2曲なんですよね。この3曲ではラルクの対照的な顔を見せていて、疾走感あふれる「HONEY」に対して、決して売れ線といえるメロディーラインではない「浸食」「花葬」までも大ヒット。とにかくこの時代を象徴するバンドとして一世を風靡したわけです。
【大ヒット連発】 1999~2001年
「HEAVEN'S DRIVE」「Pieces」「Driver's High」
「LOVE FLIES」「NEO UNIVERSE」「STAY AWAY」など
そこからの約2年は、大ヒット曲を連発し、バンド界の頂点を争う高位安定期にありました。ミリオンセラーもさらに2曲を追加し通算5曲に。「Driver's High」「STAY AWAY」といったノリの良い従来型の売れ線から、壮大なバラード曲「Pieces」、穏やかで優しいメロディーラインの「NEO UNIVERSE」など、バラエティに富んだラインアップで、楽しませてくれました。
【ブランクを挟んで1位を継続】 2004~2005年
「READY STEADY GO」「瞳の住人」「自由への招待」
「Killing Me」「New World」「叙情詩」「Link」
このあと、どうやら解散の危機もあったらしく、ブランクがあきますが、見事に戻ってきて、1位街道をばく進。売上枚数こそ落ち着いてはきてしまいますが、「叙情詩」まで1位獲得が続き、安定の力を発揮していました。
【固定ファンに支えられ1位をキープ】 2006~2008年
「SEVENTH HEAVEN」「MY HEART DRAWS A DREAM」
「DAYBREAK'S BELL」「Hurry Xmas」「DRINK IT DOWN」など
2000年代中盤になっても、かつての熱狂的な状況ではないにしろ、オリコン1位と10万枚台の売上枚数を確保する安定した支持をキープし続けていたのは凄いところ。
【かつての売上はなくてもトップバンドの地位を継続】 2010年~
「BLESS」「XXX」「CHASE」「EVERLASTING」「Wings Flap」など
そして今なお、現役バリバリのバンドとして活躍を続けています。
■売上枚数 ベスト5
1 HONEY 123.8万枚
2 snow drop 114.6万枚
3 HEAVEN'S DRIVE 112.4万枚
4 NEO UNIVERSE 110.4万枚
5 花葬 105.0万枚
ミリオンヒットだけで5曲が埋まってしまいましたが、同時発売の「HONEY」と「花葬」がミリオンを達成しているほか、1998年から2000年の間で、支持の高かった作品がミリオンにまで達したというところでしょうか。ピークの山が凸凹しているのが、作品の力でミリオンにまでもっていっているという感じで評価できます。
■最高順位
1位 … winter fall、DIVE TO BLUE、HONEY、snow drop、
Forbidden lover、HEAVEN’S DRIVE、Pieces、LOVE FLIES、
NEO UNIVERSE、STAY AWAY、Spirit dreams inside、
READY STEADY GO、瞳の住人、自由への招待、Killing Me、
New World、叙情詩、SEVENTH HEAVEN、MY HEART DRAWS A DREAM、
DAYBREAK'S BELL、Hurry Xmas、DRINK IT DOWN、XXX、 23曲
23曲も首位をとっていて、同時期のライバルGLAYと同じ数です。
■代表曲
1 HONEY
2 Driver's High
3 READY STEADY GO
flower
Winter fall
明確にこれだというのが難しく、いくつかのサイトを見て、やんわりとこんな感じになりそうだという曲を並べました。
■好きな曲 ベスト5
1 Driver's High
2 Pieces
4 winter fall
5 夏の憂鬱
疾走感あふれる「Driver's High」も壮大なバラード「Pieces」も冬の美しさを感じる「snow drop」「winter fall」も好きです。
ミリオン達成5曲があるのですが、「花葬」のようなやや難しい曲もそこにはあったりと、セールスと代表曲のイメージがぴったり一致しているかというと、そうでなかったりもするわけで
結論:売上上位曲には彼らの代表的作品も含まれるが、必ずしもそうでない作品もある




























