第75回 代表曲と売れた曲は一致するのか
レベッカ
このバンドが出てきたときはかなり鮮烈でした。女性のボーカルバンド自体がまだそんなにない頃に、実にパワフルで情熱的に踊り歌う姿と、優等生からはちょっとはずれた等身大の女の子の気持ちを歌った歌詞は実に魅力的。一線での活動期間はそんなに長くなかったのですが、今も80年代後半のバンド特集では必ず取り上げられる伝説的バンド。あの代表曲は実際セールスはどうだったのでしょうか、追ってみることにします。
【ブレイク前】 1984~1985年
「ウェラム・ボートクラブ」「ヴァージニティー」「ラブ イズ Cash」
最初の2曲はトップ100圏外、3thでようやくトップ100に入ってきたということで、デビュー当初はあまり売れませんでした。それぞれいい曲なのではあるのですが、「いい曲だね」で終わってしまって、ブレイクするにはいまいちパンチが足りないかなというのが印象です。ただ作品ごとによりキャッチーなものになっていて、ブレイクは目の前という感もありました。
【新進女性ロックボーカリストシーンをけん引】 1985~1986年
「フレンズ」「BOTTOM LINE」「RASPBERRY DREAM」
「MOTOR DRIVE」「LONELY BUTTERFLY」
そして「フレンズ」です。ドラマにも使われたことで広がり、ついにブレイク。同時期に中村あゆみとか渡辺美里とか、新しい女性ロックシンガーが登場してきましたが、それまでのアン・ルイスとか白井貴子とか山下久美子とかとはまた違う、ビジュアルも含めてポップでキャッチーな感じは、ちょっとした旋風を巻き起こすように、以後次々にヒットを生み出していきました。この頃のレベッカの場合、12インチも通常シングルと遜色ない売上を上げていて、それだけ作品が注目されていたということでしょう。「RASPBERRY DREAM」でレベッカらしさを確立させ、「LONELY BUTTERFLY」では新しい一面も見せてくれました。
【着々と地位固め】 1987年
「CHEAP HIPPIES」「MONOTONE BOY」「Nervous but Glamorous」
一時のブームで終わらず、着々とそのバンドとしての地位を固めていったのがこの時期。「CHEAP HIPPIES」は従来のレベッカらしさにあふれた作品でしたが、「MONOTONE BOY」「Nervous but Glamorous」あたりは、いろいろなことに挑戦していこうという意図も感じられました。
【活動休止、そして解散へ】 1988~1989年
「MOON」「One More Kiss」「Vanity Angel」
「SUPER GIRL」「LITTLE ROCK」
1988年ごろからセールス的にやや不安定になってきており、トップ10から外れてしまう作品もままみられるようになります。それでも「One More Kiss」「LITTLE ROCK」などは10万枚を超えており、それなりに人気は維持していましたが、バンドがピークから落ちてくると、必ず囁かれるのは解散。そんなこんなでレベッカも1990年1月に活動休止状態に入り、翌年解散と相成りました。
【限定活動、再結成】 1999年~
「神様と仲なおり」「恋に堕ちたら」
2日間限定再結成したり、かつてのヒット曲の改めてのリリース、さらにオリジナルシングルのリリースなどを経て、2015年に再結成し、紅白歌合戦にも出場。全国ツアーなども行っているようです。
■売上枚数 ベスト5
1 フレンズ 30.7万枚
2 RASPBERRY DREAM 21.8万枚
3 MONOTONE BOY 15.4万枚
4 MOTOR DRIVE (12インチ) 13.8万枚
5 One More Kiss 13.4万枚
30万枚超えが1曲、20万枚超えが1曲、それ以下は接戦となっています。上位2曲はなるほどという曲が並んでいる印象ですが、音楽業界的にシングルの売上が伸びなかった時期がピークに当たったため、枚数的にはそんなにように感じるかもしれません。
■最高順位
3位 … フレンズ、MOTOR DRIVE、MONOTONE BOY
4位 … RASPBERRY DREAM、LITTLE ROCK
最高は3位で3曲、4位が2曲と、このあたりで安定している感じですが、逆に言えば1位、2位はとることができなかったのが意外でもあります。
■代表曲
1 フレンズ
・
2 RASPBERRY DREAM
若い世代にも知られているという点も含めて、圧倒的に「フレンズ」であることで異論はないでしょう。次点を上げるとすれば、「RASPBERRY DREAM」かな。以下は接戦でしょう。
■好きな曲 ベスト5
1 LONELY BUTTERFLY
2 MOON
3 MOTOR DRIVE
4 フレンズ
5 CHEAP HIPPIES
「LONELY BUTTERFLY」の切ない歌唱が大好きで、1番は迷いなく選びました。「MOON」は曲もいいですが、歌詞にぐっとくるものがあり、一方「MOTOR DRIVE」はタイトル通りの疾走感が爽快。以前の記事では5位に
「RASPBERRY DREAM」としていましたが、今日の気分で「CHEAP HIPPIES」を選択。
やはり一番売れていたのは「フレンズ」ということで
結論:売れた曲が代表曲で問題なし


















