第59回 二発屋を探せ!
風見慎吾 Johnny 高野寛
一発屋ではなく、2曲だけヒットを当てて、あとは売れなかったという二発屋アーティストがどれだけいるのかを探る企画の第2弾です。出来たら、突出した2曲の間隔が連続していないのが理想で、なぜなら1発当てた後の次の曲というものは、勢いである程度は売れる傾向にあるからで、印象的に2曲がヒットしたアーティストを取り上げて、実際に二発屋といえるのか、そしてそのキレイ度も見てみたいと思います。
【風見慎吾】
対象として考えたのは「僕笑っちゃいます」と「涙のtake a chance」です。
■売上枚数 ベスト3
1 僕笑っちゃいます 33.0万枚
2 涙のtake a ghance 22.5万枚
3 泣いちっちマイ・ハート 16.9万枚
■最高順位
6位 … 僕笑っちゃいます
10位 … 涙のtake a chance
12位 … そこの彼女
トップ10に入ったのが2曲ということで、売上1位、2位もその2曲。一般的な印象も、風見慎吾といえばこの2曲になるとは思うのですが、意外に3位曲との差が小さいのですよね。売上3位「泣いちっちマイ・ハート」の売上は2位曲「涙のtake a chance」の75%。また順位的にも「涙のtake a chance」の10位に対して「そこの彼女」の12位と、大きな差ではありません。
結論:印象ほど2曲が突出しているわけでもなく、二発屋といえるか微妙なライン
【Johnny】
対象曲は「ジェームス・ディーンのように」「$百萬BABY」です。
■売上枚数 ベスト3
1 ジェームス・ディーンのように 50.2万枚
2 $百萬BABY 33.8万枚
3 みにくいアヒルの子 7.3万枚
■最高順位
1位 … $百萬BABY
3位 … ジェームス・ディーンのように
12位 … みにくいアヒルの子
オラオラ系が揃う横浜銀蝿の中では唯一甘い雰囲気を持ったJohnnyは、作るメロディーにもどこか甘さがあって、わりと広く受け入れられていた印象です。作曲した嶋大輔「男の勲章」なんかは、息の長い曲になりましたし、その後音楽プロデューサーとしても活躍するなど、才能はあったのでしょうね。何を隠そう、私自身高校時代にソロアルバムを買ってしまうくらいにお気に入りでした。実績をみると、ソロとしてのヒット曲が2曲というのは明確なところではあります。ただ横浜銀蝿本体の人気ともリンクしているところはあり、ソロデビューから奇麗な右肩下がりというのも、二発屋というには不満が残るところではあります。
結論:数字だけなら二発屋には違いないですが、本体横浜銀蝿でのヒットを多く出していることを鑑みると、あくまでも企画ものの範疇で考えるべきでしょう
【高野寛】
対象は「虹の都へ」と「ベステン・ダンク」
■売上枚数 ベスト3
1 虹の都へ 27.7万枚
2 ベステン・ダンク 26.7万枚
3 目覚めの三月(マーチ) 3.9万枚
■最高順位
2位 … 虹の都へ
3位 … ベステン・ダンク
18位 … 目覚めの三月(マーチ)
売上枚数を見ても、最高順位をみても、「虹の都へ」「ベステン・ダンク」の2曲がほぼ同等の実績を残してして、3番手「目覚めの三月(マーチ)」とは明確な差ができています。「虹の都へ」「ベステン・ダンク」はともにスキーウェアのCMソングに起用されたことでヒットしましたが、ただ以降の曲も何らかのCMに起用されることも多く、そのうえでこれだけ差がついているということは、売れた2曲の楽曲の力に因るところが大きいでしょう。田島貴男とのデュエット曲がそこそこ健闘してしますが、それ以降はパッとせず、イメージ的にも二発のみで消えていった感は強いのではないでしょうか。
結論:二発が連続しているところにやや不満はあるものの、比較的明確な二発屋といえるでしょう