第54回 1970年代終盤に活躍した3バンド、一番すごかったのは?
甲斐バンド、ゴダイゴ、ツイスト
1970年代終盤ごろにちょっとしたバンドブームがありまして、特にここに上げた甲斐バンド、ゴダイゴ、ツイストにサザンオールスターズを加えた4バンドがシングルチャートを賑わせました。その中でサザンはその後別次元に飛んで行ってしまいましたので、残りの3バンドのシングル売上をみながら、どのバンドが一番凄かったのか考察してみることにします。
【甲斐バンド】
■売上枚数 ベスト3
1 HERO(ヒーローになる時、それは今) 63.7万枚
2 安奈 42.4万枚
3 裏切りの街角 30.4万枚
最初にチャート上位に登場したのが甲斐バンドで、1975年発売の「裏切りの街角」がヒット。しかしそのあとはしばらく空いて、久しぶりに売れたのが「HERO(ヒーローになる時、それは今)」でした。今回の3バンドの中ではメディア露出など一番地味でしたが、一線で活躍した時期が一番長かったのが甲斐バンドでしょう。
【ゴダイゴ】
■売上枚数 ベスト3
1 ガンダーラ 88.8万枚
2 銀河鉄道999 66.6万枚
3 モンキー・マジック 56.5万枚
1978年の終盤から1979年の1年ちょっとの間に集中的に大ヒットを連発し、派手な活躍を見せたのがゴダイゴです。強力なタイアップを背景に、当時小学生の私の周りでも人気で、好きな女の子が「タケカワさん、タケカワさん」といつも言っていて、軽く嫉妬していました。そんな活躍により、今も聴き継がれる作品を複数残しています。不思議とオリコン1位がなく、2位ばかりというのが、今となっては惜しい気はしますが。あと、ヒット曲にラブソングがほとんどないというのも稀有な存在といえそうです。
【ツイスト】
■売上枚数 ベスト3
1 銃爪 54.8万枚
2 宿無し 52.2万枚
3 あんたのバラード 43.5万枚
デビュー当時は世良公則&ツイストと名乗っていたように、世良公則を中心としたいい意味で暑苦しい音楽を提供したバンドで、他の2バンドとは異なり、デビュー曲からいきなりヒットを飛ばし、シングルチャートを賑わせました。当時何かの子供向け雑誌にスターの身長比べの企画が掲載されていて、名だたるアイドルたちの中に、世良公則どころかふとがね金太まで混ざっていたのを思い出しました。
では3バンドの実績比較です。
■作品別売上枚数
1位 ガンダーラ ゴダイゴ 88.8万枚
2位 銀河鉄道999 ゴダイゴ 66.6万枚
3位 HERO(ヒーローになる時、それは今) 甲斐バンド 63.7万枚
4位 モンキー・マジック ゴダイゴ 56.5万枚
5位 銃爪 ツイスト 54.8万枚
次点 ビューティフル・ネーム ゴダイゴ 53.8万枚
曲別でみるとゴダイゴが強いです。1位、2位、4位、6位がゴダイゴの曲で、間に甲斐バンドとツイストの一番売れた曲が入り込んでいるという構図ですね。人気ドラマ「西遊記」、人気アニメ「銀河鉄道999」、国際児童年のキャンペーンソングと、バックが強力というのも後押ししていたかもしれませんが、とにかく1979年のゴダイゴは凄かった。
■最高順位
1位 … 銃爪 ツイスト、HERO(ヒーローになる時、それは今)甲斐バンド
2位 … ガンダーラ、モンキー・マジック、ビューティフル・ネーム、銀河鉄道999 ゴダイゴ
3位 … 宿無し、燃えろいい女 ツイスト
1位はツイストと甲斐バンドが1曲ずつですが、2位はゴタイゴが4曲、3位はツイストが2曲という結果です。
■トップ10 ランクイン作品数
ツイスト 6曲
ゴダイゴ 4曲
甲斐バンド4曲
トップ10の作品数ということではツイストが抜けていて、ゴダイゴと甲斐バンドが同数。ゴダイゴはつまり、トップ10に入った4曲がすべて最高位2位という偏ったものになっています。
■好きな曲
1位 安奈 甲斐バンド
2位 銀河鉄道999 ゴダイゴ
3位 ビューティフル・ネーム ゴダイゴ
1979~1980年にかけて「Sachiko」「順子」「安奈」と女性の名前をタイトルにした名曲が続けて生まれました。この3バンドの中では「安奈」が好きですね。「銀河鉄道999」はサビの英語をなんとか覚えようとしたことを思い出しました。「ビューティフル・ネーム」は小学校の運動会で、確かフォークダンスかなにか忘れましたが、練習をさせられて踊った記憶があります。
トップ10入りしたヒット曲数ではツイストが優位なのですが、やはりトップ10入りの4曲すべてが2位かつ50万枚越えで、「銀河鉄道999」「ガンダーラ」という大ヒット2発をもっているゴダイゴが強いように思います。
結論:凄い順にゴダイゴ>ツイスト>甲斐バンド